善意が暴走するPTAと町内会は変われるか 数々のナゾに挑戦する2人に聞く

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紙屋:何人くらい来られたんですか?

山本:5人くらいですね。最初にみえたのは、かつて一生懸命、役員をされていた方で、「改革するのはいい。でも、やり方を変えようと言われると、自分たちが以前やってきたことを否定されているような感じがして、夜も眠れない」とおっしゃるんです。

そこで「いや、否定しているわけではないんです。これまでの人たちが一生懸命やっていたことは、僕たちもよくわかっています。ただ、それがいまの状況とは合わなくなってきているので」ということをご説明したら、「分かりました、これでやっと安心して、年が越せます」と言って、帰っていかれました。

次にこられた方は、「どうして、卒業式の紅白饅頭や運動会の鉛筆など、記念品を配るのをやめようとするのですか?」というご意見でした。僕らは、わざわざ集めた会費をモノで返すのはおかしいんじゃないか、という考えなので、それをやめようとしているのだとお話しました。そこを削れば会費も削れますから。当時PTAで実施したアンケートでも「モノ(記念品)はいらない」という声がほとんどだったんです。

でも、その方のお子さんは記念品をすごく喜ばれるそうなんですね。それは「そうですか」とお答えするしかなくて、結局その方には申し訳ないけれど、記念品はやめさせてもらいました。

紙屋:全員への記念品ですから、「喜ぶ人だけ配る」とか「多数は反対だけど喜ぶ人がいるから全員に配り続ける」ってわけにはいきませんからね。

「登下校の見守り」を楽しむ父親たち

山本浩資
毎日新聞社会部記者。1975年、京都府生まれ。同志社大学卒。東京都の公立小学校PTO(PTAを改称)で、2012~2014年度まで団長(会長)としてPTA改革に取り組んだ。現在は町会の理事を務める。著書『PTA、やらなきゃダメですか?』(小学館新書)(撮影:今井 康一)

紙屋:町内会やPTAではよく、「子どもの登下校の見守り」をやっていますね。山本さんの地域では、どちらがその仕事をやっていますか?

山本:両方です。PTOでは毎日、お父さんが3人くらい立っています。僕は、そういうのはなかなかできないんですけれどね。そのお父さんたちは、「ほかの子の成長がわかって楽しい」と言うんですよ。地域のリタイアされた方も、自主的に立ってくださっています。

みなさん、「子どもや孫が入学して、なかなか学校に行かないから、一緒に途中まで行っているうちに道に立つようになった。子どもたちがいろいろと話をしてくれるようになって、いまでは面白くて止められない」というんです。

紙屋:それはすごく理想的です。ボランティアって、本当はそういうものですよね。その手の活動は、必要だと言われるわりには、いちばんなり手が出ないイメージがあるので、「任意の活動にしたとき、続くのかな?」と思っていたんですけれど。

山本:無理に集めようとするのは難しいんですけれどね。みなさん、ほぼ毎朝、雨の日もカッパを着て立っていますよ(笑)。僕はその人たちのこと、尊敬しています。

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