「みんなが協力しあって身のまわりをよりよくしよう」という善意の活動。しかし残念ながら、“参加強制力”が強く働く場においては、人間関係のあつれき、泥沼化が起こりがちです。
典型的なのが、地域住民による「町内会(自治会)」や、学校の保護者による「PTA」の活動です。いったいどうすれば余計な揉め事を回避し、前向きに活動できるのか? 改革をうまく進めるにはどうすればいいのか?
『町内会は義務ですか?』の著書がある紙屋高雪さんと、『PTA、やらなきゃダメですか?』を著した山本浩資さんに、実体験から学んだ“難所”や“切り抜け方”を語り合ってもらいました。
合意を作るのにかけた相当な労力
紙屋:僕は、とある地方都市の町内会で、6年ほど会長をやっていました。校区(自治会や防犯組織、育成委員会等の集まり)から、地域の運動会などイベントがあるたびに「(手伝いの)人を出せ」と言われるのに応え切れず断っていたら、吊るし上げに遭ってしまいました(苦笑)。そこでいったん町内会を解散し、義務ナシ・会費ナシの「新・町内会」を結成したという経験があります。
PTAにも、強制性や人間関係の難しさなど、町内会と共通する問題点がたくさんありますよね。
山本:そうですね。僕は「PTA活動って、もっとハッピーにやれるんじゃないかな?」と思い、すべての活動をボランティア制(強制でなく手を挙げた人がやる形)に変えました。途中で「PTA解散宣言」をしたこともありますし、会費を値下げしたり、団体名を“PTA”から“PTO(学校応援団)”に変えたりと、いろんなことをやったんですけれど。
ちょうどその頃(2014年)、紙屋さんの本(『”町内会”は義務ですか?』)が出たので、すごく参考にさせてもらいました。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら