この作品では、ナポレオン1世没落直後の1815年から復古王政時代経た1833年までの18年間が対象で、まさにフランス史そのものといっても過言ではない。
この作品の場面となった時代は、まさに先が見えない革命の時代であった。しかし、現代でも先が見えないということでは、経済でも経営でも一緒である。経済政策や経営計画では、一般的には中期計画(3年)、そして長期計画(5年)がある。しかし、せっかく計画を立てたとしてもなかなかそれが達成できない。それは計画には無理がつきものであるが、予想できないことが起こることからである。東日本大震災や同時多発テロなどの天災や、尖閣諸島問題やアラブの春などの政治的問題、欧州債務危機や財政の崖などの経済的問題、シェールガスの活用などの産業的課題などなど、予想もしなかった問題も発生する。それも悲惨なことも多い。もちろん、個人の人生でも予想できないことが多い。
しかし、将来が全て分かっていたら、計画も努力もする気がしなくなるのではないか。分からないから、いろいろあるから、大変だけれども面白いのではないか。味があるのではないか。また、予想外の事態や、失敗から大成功が生まれることも多い。どんな時でも“前向きな気持ち”を持ち続けることが最も大事ではないか。他力本願的な経済政策や経営計画では成功は覚束ない。バルジャンも強い清らかな気持ちは最後まで失わなかった。
というわけで、突然ですが、この『宿輪純一のシネマ経済学~映画を見れば経済がわかる』の連載もこれで終了です。約3年間お世話になりました。
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