BRAVE HEARTS 海猿 --非常時よりも平常時の“海”と“空”の戦略が必要《宿輪純一のシネマ経済学》

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今や人気映画シリーズとなっている『海猿』の4作目。もともとは『週刊ヤングサンデー』に連載されていたもの。NHKでテレビドラマとなり、その後はフジテレビが2004年に『海猿 ウミザル』として映画化し、その後、テレビドラマ「海猿 UMIZARU EVOLUTION」とした。その後、『LIMIT OF LOVE 海猿』『THE LAST MESSAGE 海猿』、そして本作の3本の映画が作られた。前作は3Dであったが、今回は2Dである。もちろん、CGは活用しているが。

海上保安官が海難事件において命懸けで救助する、という感動的なパニックレキュー映画。無理やり感のある設定の中、お約束的な展開で救助され、ハッピーエンドを迎え、人気も高い。

ちなみに、潜水士を指して「海猿」というのは本作品における創作とされているが、海上保安官の潜水士になるために通う海上保安大学校(広島県呉市)の近所の住人の方が呼んでいるともいわれている。製作には海上保安庁が全面協力しており、この映画の公開後、海上保安官への応募者が増加した。

 

 

    © 2012 2012 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

 

1作目は成長編ともいえるものであるが、2作目は豪華客船(鹿児島)、3作目は天然ガスプラント(福岡)が舞台となった。この3作目では何と飛行機(ジャンボ)が東京湾に着水する。個人的には、このシチュエーションは、どうも「日本航空羽田空港沖墜落事故」(1982年)と「日航ジャンボ機墜落事故」(85年)の記憶と重なる。また、小さい頃から映画を見てきた筆者は、ジャック・レモン主演の『エアポート’77/バミューダからの脱出』(77年)ともダブる。

346人が乗ったジャンボ機がエンジントラブルで東京湾に着水することになる。しかも、乗客の1人は海猿の隊員の彼女である。20分しか浮かんでいられないという条件の中、救助に向かう。ある隊員(彼女が乗っていた……)が挟まれて脱出が困難になる……。

 

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