BRAVE HEARTS 海猿 --非常時よりも平常時の“海”と“空”の戦略が必要《宿輪純一のシネマ経済学》

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海猿の決死の救出によって、最終的には全員(!)救助されてハッピーエンドになるが、手に汗握る展開が続く(筆者は、この映画の主人公の海上保安官をはじめ、自衛官、警察官、消防士などの保安職の方々には敬意を払っている)。

パニックレスキュー映画には“お約束”の特徴がいくつかある。絶体絶命の悲惨な状況に置かれる。現場が一致団結して頑張る(対照的に本部は弱い)。主要人物は死なないことが多い。しかし、副主人公級が大変なことになる。恋人が巻き込まれる。音響(音楽)でガンガン盛り上げる。非日常的かつ悲惨な状況から、うまくいってハッピーエンド、ということで、人気がある映画ジャンルである(もちろん、実際の人生や仕事では、これほどうまくはいかない)。

われわれはパニックの状況にいるわけでもなく、平常時の日常世界に生きている。パニック系の非常時と比べれば、刺激も少なく、物事もうまくいかないことが多い。この映画のベースとなっている“海”や“空”にしても、まさにそうで、日本全体の平常時の海運や航空戦略はうまくいっているとはいえないのではないだろうか。

たとえば、韓国が港は釜山(プサン)、空港は仁川(インチョン)に集中し、アジアのハブ(中核)とすべく戦略を進め、活況を呈している。最近、日本のそれを明らかに抜いているのである。

 

 

    © 2012 2012 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

 

 

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