『北のカナリアたち』

―時間の価値とアンチエイジング―

『北のカナリアたち』は東映が力を入れた創立60周年記念作品である。何より驚きなのは、主演の吉永小百合の116本目の出演作ということである。いわゆる“サユリスト”には堪らない作品かもしれない。共演陣も柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗と渋い役者が勢ぞろいしている。

本作品は、20年前の事故の謎に翻弄される女性や若者を描いた「サスペンス仕立てのドラマ」である。夫・川島行夫(柴田恭兵)と共に北海道の離島にやってきた小学校教師はる(吉永小百合)は6人の生徒たちを受け持つことになる。

(C)『北のカナリアたち』製作委員会

はるは彼らの歌の才能に気付き、合唱を通してその心を明るく照らしていく。そして、警察官・阿部(仲村トオル)が島へやってくる。彼は担当した事件が原因で心に傷を抱えたていた。はるは陰のある阿部に惹かれていく。

そんな中、生徒たちと行ったバーベキューで、悲しい事故が発生し人が亡くなる。はるも子供たちは心に深い傷を負い、はるは父(里見浩太朗)を一人残し、追われるように島を出た。島を離れた後も6人の生徒たちが心残りであった。実はその6人の生徒たちも含め関係した全員が、その不幸で自分を責め続けることになり、苦渋の日々を過ごすことになる。

20年後、はるは東京で図書館司書として暮らしていた。その6人の生徒の一人が悲しい事件を起こす。はるは6人の生徒たち(森山未來、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、満島ひかり、勝地涼)と再会するために東京を離れる。彼らからは20年間苦しんできた思いが語られ、少しずつ苦しみからの解放に向かっていく。

最近、ロケ地が地方のものが多いような気がする。高倉健の「あなたに」も富山で撮影された作品である。ちなみに高倉健は「あなたに」が出演205本目となっている。映画にその地方がロケ地に選ばれるのは、観光客が増えて経済的な効果が大きいのは、映画の力であり、良いことである。

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