時給300円!刑務所は究極の低コスト工場だ 刑務所は仕事不足に悩んでいる

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作業時間は、午前中4時間10分、午後4時間15分。途中休憩があり8時間労働で、一般社会人と変わりません。お会いしたのは、その仕事を作っておられる担当官でした。

必ず仕事をさせねばいけないのですが、景気の状況などもあり、コンスタントに受刑者向けの仕事があるわけではありません。「あまり安くして仕事を取ると民業圧迫になるので、そのあたりも難しい」とのこと。刑務所の仕事探しもなかなか大変なのです。法務省はホームページを通じて「近年、収容人員に応じた作業量の確保に苦慮しています。企業の皆さん、刑務作業を利用してみませんか」と呼び掛けています。

こちらの大阪刑務所(大阪府堺市)では約2000人の受刑者が働いています。このくらいの規模になると大手企業の工場と変わりません。

伝統工芸品からiPhoneのカバーまで

刑務作業は、受刑者の皆さんに、規律ある生活態度及び共同生活における自己の役割や責任を自覚させようとするもの

作業場を見学させてもらいました。印刷工場、部品加工場、リサイクル工場、さらに縫製工場、木工所、緞通工場といろいろありました。皆さん、黙々と働いておられます。もちろん、休憩、昼食など規律はきちんと守られています。床もごみ一つ落ちていません。

3S(整理・整頓・清潔)、5S(3S+清掃・しつけ)活動を強制的にやっているようなものです。キレイな作業場です。こんなところで作られる製品は、間違いありません。品質は保証済みだと思いました。

堺式手織緞通、唐木細工等の伝統工芸品から大阪府下の企業を中心に約100社の加工の仕事も請け負っています。企業から工作機械を持ち込んで加工委託できるほか、オンデマンドプリンターなど最新鋭の印刷機械やパソコンも並び、企業のニーズにマッチした仕事を引き受けています。最近では、溶接作業も請負うようになりました。作業専門官が配置され、職業訓練を通じて受刑者の技術指導も徹底しています。 

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