こうした刑務作業は、全国77カ所の刑事施設(刑務所、少年刑務所及び拘置所等)で実施されています(2014年3月現在)。また、全国刑務所の作業製品を一堂に集めた展示即売会も開かれています。タレントの杉良太郎さん、石田純一さんなどが招かれ、テープカットを行うイベントもあります。少しでも多くの方に刑務作業の実態を分かってもらいたい、との思いからです。
刑務作業は、受刑者の皆さんに、規律ある生活態度及び共同生活における自己の役割や責任を自覚させようとするものです。併せて、技能の習得により円滑な社会復帰も意図しています。
担当官は「刑務作業は受刑者の将来の就労に役立ちます」と、企業に作業委託を呼び掛けています、刑務所のホームページには、企業向けの「作業委託依頼フォーム」も掲載されています。思っていたよりも敷居が低いと感じました。
札幌刑務所ではiPhoneカバーを製作
あまり複雑な作業は無理ですが、企業から機械を提供頂ければ要望に沿った対応が可能です。札幌刑務所ではiPhoneの牛革カバー、黒羽刑務所(栃木県)ではハロ―キティの貯金だるまなど、全国の刑務所を見渡すと意外な製品もあります。
作業コストがどのくらいなのか、気になりました。「いったいいくらぐらいで請け負ってるんやろか?」
法務省のホームページには「契約者の当事者が協議して決定いたします。一応の目安として、各都道府県の最低賃金を基準とし、就業者の技能の程度、作業内容、刑務作業の特殊性などをしんしゃくして決定することとなります」と記載されていますが、これでは実際になんぼなのか、想像できません。
そこで、事務所に戻ってから、先ほどの数珠屋の社長さんに聞いてみました。書き漏らしていましたが、この数珠屋さんは山田念珠堂と言います。創業は文久元年と古く、従業員90名弱、製造職人約200名の大阪市天王寺区の会社です。7代目の山田和義社長が教えてくれました。
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