ヤフー流支援に集う、若き異才たち

「泥かき」だけが、僕らの仕事じゃない!

復興デパートメント立ち上げまでの期間、特に大変だったのは、現地に先頭に立つプロデューサー的な役割をする人が圧倒的に少なかったことだ。そういう人が1人いるかどうかで、プロジェクトの進み方は随分変わってくる。

そんなとき、強力な助っ人に出会った。誰か適任者はいないかと、現地を駆けずり回っていたときに知り合った、2人の“20代女子”だ。

左が店長の島本幸奈さん、右が副店長の佐藤友美さん(写真:平井慶祐)

一人は、被災直後から単身で千葉からボランティアに来ていた子(島本幸奈さん)。勤めていたホテルが被災して休業中だったのを機に訪れ、女性でありながら、たくましくテント暮らしを続けていた(現在は、復興デパートメントの店長をしている)。

もう一人は、女川出身でパソコン関係の仕事をしていた子(佐藤友美さん)。それまでのスキルを活かし、バナー作りやサイト構築を担当してくれることになった。

2人ともイマドキの元気な女の子たちなのだが、見た目以上に?しっかり者だ(というか、僕らのほうが、いつも叱咤激励されている)。この子たちが仲間に加わってからは、飛躍的に展開が速くなった。

突然、「インターネットでモノを売りましょう」といっても、いきなり信頼してもらい、理解を得るのは至難の業。そんなとき、彼女たちは強い味方になってくれた。

「よかったらネットで商品を売りませんか?」。彼女たちの言うことなら、年配の生産者たちも自然に耳を貸してくれた。

彼女らは今、ヤフー石巻復興ベースのオフィスで、一緒に仕事をしていることが多い。同じ会社のメンバーかどうかは誰も気にしていない。もはや家族同然の付き合いだ。

仕事さえあれば、何でもいいのか?

9月からは、「復興デパートメント」の出店者探しが本格的に始まった。現地の状況やニーズを伺おうと、一軒一軒、生産者のお店や工場に足を運んだ。

そんな中、最初の出店者になってくれた本田水産との出会いは印象的だった。代表・本田太さんを通して、生産者のこだわりをダイレクトに感じる機会にもなった。

震災から半年程度が経っていたが、工場の半分は壊れたままで、ようやく一部営業を再開していた状況だった。にもかかわらず、本田さんは僕らを明るく迎え入れてくれた。

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