ヤフー流支援に集う、若き異才たち 「泥かき」だけが、僕らの仕事じゃない!

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「これ、おいしいから、食べてみて」

一日中、魚の加工を考えているような熱意の人、本田水産代表の本田太さん

あいさつもそこそこに、本田さんは、ニコニコしながらサンマやワカメなど自慢の商品を出してきてくれた。

で、実際食べてみると、これがビックリするくらウマいのだ。どうしたらよりおいしく魚が加工できるか、一日中考えているような研究熱心な人で、地元でも有名人だった。

当初は、石巻・沿岸部の社長さんなので朴訥したイメージを想像していたのだが、魚の話になると能弁で、軽く2時間くらい解説してくれる。それにより美味しさの秘密は、本田さん独自の冷凍や加工技術によるところが大きいとわかった。

本田水産の倉庫は津波で一部破損していたが、壊れていない倉庫に冷凍サンマの在庫が残っていて、加工すれば、いつでも売れる状態にあるとわかった。
もともとネットでの委託販売も経験されており、ネット通販にも理解があり、復興デパートメントの話をすると、本田さんは快諾してくれた。

「震災で石巻は有名になってしまったが、もともとは魚のおいしい地域だった。ぜひとも、おいしい“石巻ブランド”を広めたい」。出会った当初から本田さんは、そんな風に話してくれた。

もう一人、印象的だったのは、メンズファッション通販「レイダース」を運営している鈴木孝宗さんだ。鈴木さんは、ネット黎明期からオンラインショップを手がけていて、大手ネット通販サイトで表彰された経歴も持つ。

震災時、鈴木さんの店舗には津波で車が突っ込み、在庫も全部やられてしまっていた。しかし、「俺たちを被災者扱いしてほしくない」と語っていた。

被災当時から、自分の会社のことより、被災企業全体を支援する方法を真剣に考えていたくらい気概のある人だ。

「職が足りないと報道されているが、俺の店の求人には誰も来てないよ」
 「正直、失業保険をもらっている間は、なかなか就職する気にならないだろう」

などと、被災地の現実を教えてくれた。さらに、行政と現地ニーズのミスマッチなども、バッサバッサと解説してくれる。社会がダメ、政治がダメという話に終始するのでなく、自分の足で立ち上がろうと常に考えている人だ。

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