憎み合う同居より、思いやりある別居を選べ 二世帯同居の苦労は経験しないとわからない

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双方が思いやり、相当な覚悟をもってしても、同居することですれ違うのが多くの義理関係です。この姑さんにあなたの立場になって考える思いやりなどは期待できません。

そして、申し訳ありませんが、同居が無理な原因はあなたにもあります。あなたは家の頭金1000万円をあなたが出し、義理の両親には何も世話になっていないと考えておられます。その1000万円はあなたが稼いだかそれ以外の収入だったとしても、それはあなたのご実家の、今は亡きあなたのご両親の、それまでの幾多の支えがあったからこそのもののはずです。

同時にご夫君が今あるのも、これからあなたと一緒にローンを返済していく能力があるのも、そしてあなたが大切だと思うその人柄も、みな、彼のご両親が愛情をもって教育されたおかげであることを忘れるわけにはいきません。親には何も世話になっていないと考えておられるあなたの態度に、口に出さずともご夫君は、心を痛めておられるはずです。

小姑たちは次男三男と結婚しているからそちらに行けばよい、という考えも、それなら長男であるあなた方夫婦はどうなのかという話になります。むしろ、「大切な夫が同居したがっているので、できればその思いをかなえてあげたいが、かえって関係がこじれる気がする」というのが出発点であるべきではないでしょうか。

感謝を伝える別居をしよう

ここはまず小姑さんたちと話し合い、3家族が日を決めて親を訪問する形を取るのはどうですか?

1週間に1度と決めると、2日に1回は誰かが訪れていることになり、それが月1回でも随分違うはずです。当番以外に訪れるもよし、お惣菜を届けるのもよし、掃除だけを手伝うのもよし、愚痴の聞き手を務めるだけでもよし、やっていく中でお姑さんの理解も求めていくのです。そのうち、皆にもっと良い方法が生み出されていくはずです。

ここはあなたも、多少の心得違いがあったことをご夫君には正直に伝え、好き嫌いだけで同居が嫌だと言っているのではないことを伝えましょう。そのうえで、同居することで予想される更なる感情の対立を避けたいことと、これまで以上に彼の両親には、感謝をこめて接したいと伝え、理解を求めるべきです。この辺のことを率直に、みんなで話し合われることをお勧めします。万一、同居するとしても、誰と同居するかを含めて、それは次の段階ですね。

私の友人は、遠くに住む姑さんが好きな、焼き肉入り巻きずしを、せっせと宅配便で送っています。お寿司を翌日に食べさせるなど、私は考えたこともありませんでしたが、「美味しくて」とても心待ちにしておられるそうなのです。

「スープが冷めない距離」と言われた時代は、今ほど電子レンジが家庭に普及せず、今のような宅配制度もない時代でした。スープなど、温め直すほど美味しくなるものだっていっぱいあります。冷めても全然かまいません。毎度のセリフですが、同居することですり減らす神経を考えれば、別居でいろいろ気遣って差し上げることなど、喜んでできるものです。そちらのほうがずっと簡単で楽なお世話ですよ。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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