名古屋は、なぜ外国人にとって宝の山なのか 豪州人を魅了する日本最強の観光資源

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――観光アドバイザーとして今後の活動は?

クリス:僕は日本のためにいろんなことをお手伝いしたいので、観光アドバイザーの仕事が増えているのはとてもうれしいです。メイドインジャパン=ものづくりが以前のようにチヤホヤされなくなっていますから、今後の日本経済にはツーリズムビジネスがとても大事だと思っています。

日本のすばらしさ、日本のストーリーを日本人が語れるようになるように、僕は手伝いたい。外国人の視点で、日本の魅力、地域の魅力を見つける手伝いをしたいんです。それが、僕を受け入れてくれた、大好きな日本に対してできる恩返しですから。

地域の魅力を掘り起こして、発信し続けることが大事

――2020年のオリンピックに向けては?

クリス:「2020年にむけて頑張ろう!」と、2020年をゴールのように思っている人が多いけど、僕は2020年をゴールだとは思いません。たしかに、2020年のオリンピックで、日本という国は注目されるかもしれないし、東京に来たついでに「京都へも行こうか」「箱根へも行こうか」と考える外国人もいると思うので、そのときの選択肢に入れてもらうために、愛知・名古屋も含め、世界的に見てネームバリューのない地域は、頑張ったほうがイイと思います。でもけっして、2020年はゴールじゃない。どんどん、その地域の魅力を掘り起こして、発信し続けることが大事です。

人口減少や経済のことを考えると「インバウンド観光」は、日本にとっても、地域にとっても大きなビジネスチャンス。日本全体が魅力的であることを世界に知ってもらうきっかけとして、2020年の東京オリンピックは、一つのチャンスだと思います。

――最後に、読者へのメッセージを。

クリス:まず、自分の国、自分の地域をもっと深く勉強してほしい。オンリーワンを発見して、その魅力やストーリーを自信をもって発信ほしい。愛知・名古屋には、たくさんのサムライの生誕地があるけど、整備されていなくてボロボロだったりする。それを見ると、すごくもったいないと思うし、悲しくなります。地域の大切な宝物をちゃんと守って、それを誇りにして、日本国内にも、海外にも伝え続けていってほしい。自分の国、地域の魅力をしっかり掘り起こして、それを諦めずに伝え続けてほしい! 日本は、とても魅力のある素晴らしい国なんですから。

取材後記
「ニッポンのいいところ、ほんとに知ってる?」
ストレートな問いを穏やかな笑顔で投げてこられるクリスさんに、こちらが答えを躊躇してしまう場面もありました。歴史、文化、自然といった日本が本来持っている観光資源を外国人にアピールするには、発信する側に日本についての深い知識と広い経験が必要です。
DiGJAPAN!編集部は、各国の外国人記者が外国人目線での情報発信しています。日本の魅力を十分に知っているか、楽しめているか、「日本が好き!」という熱量は十分に強いか、そしてそれらをキープできるか。改めてその大切さを考えたインタビューでした。私もクリスさんに負けないようニッポンの魅力を学び続けて、いつかまた、クリスさんとお城談義ができる日を楽しみにしたいと思います。
(取材日:2016年4月6日)

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鶴岡 優子 地方創生ライター

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Yuko Tsuruoka

日本各地の魅力を発掘し、そこで奮闘するリーダーを取材。世界150カ国以上に日本の魅力を発信する訪日インバウンドメディア「DiGJAPAN!」元プロデューサー。自治体や企業に対し「地域の魅力発信」のコンサルティングを経験。現在はIT企業でPRとメディア開発に従事。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了。

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