名古屋は、なぜ外国人にとって宝の山なのか 豪州人を魅了する日本最強の観光資源

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戦国時代の歴史、甲冑武具、城などに詳しいクリス・グレンさん

――名古屋城は現在本丸御殿を復元中ですが、クリスさんはこの事業の海外発信にも携わっていますね?

クリス:僕は名古屋城本丸御殿を海外に紹介する、英語版のパンフレットとWebサイトの制作をお手伝いしました。復元中の名古屋城本丸御殿は本当にすばらしいから、ぜひたくさんの人に見てほしいです。

2008年から復元工事が始まりまして、豪華で美しい本丸御殿がよみがえりつつあります。現在は玄関・表書院を公開していて、2016年6月1日からはいよいよ対面所と下御膳所が公開されます。

復元には高級木材の木曽ヒノキが使われていて、襖絵や障壁画も本格的に復元されています。豪華ですよ。こうして建築当時と同じ状態の本丸御殿を見られるなんて、本当に貴重だと思うんです。だって、当時は殿様と面会を許される人しか見られなかったんですからね。

外国人は「本物」が見たい

「外国人の友人たちも、本丸御殿の美しさに大喜びです」と語るクリスさん

――外国人の方に、日本と名古屋城の魅力を伝えるために、どんな工夫をされているのですか?

クリス:外国語の観光パンフレットやWebサイトは、日本語を翻訳しただけのものが多いでしょう?でも、それだと外国人が読んだ時、説明不足だったり、意味があいまいだったりして、わかりにくいことも多い。

例えば、日本人には徳川家康って言えば通じるけど、外国人にはそれだけじゃ伝わらない。「誰?」ってなっちゃう。それに、日本人が外国人のためを思って作ったデザインは、ネイティブが見るとちょっとおかしかったりするんです。日本の紹介なのに、わざわざモデルに外国人を入れていたりね(笑)。Webサイトを見た外国人が「ここ、行ってみたい!」と思うことが一番大事だから、外国人の視点で、外国人のニーズにあったパンフレットやWebサイトをつくることが重要ですね。

――名古屋城は本丸御殿だけでなく、天守閣を木造で再建するプランもあるようですね?

クリス:日本に来た外国人は、本物の城が見たいんです。コンクリートじゃなくて、本格的な木造の城が見たい。名古屋城は昭和の精密な実測図や写真がたくさん残っていますから、ほぼ完全な状態で復元できる日本でも数少ない城です。

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