小沢一郎氏は「美人計」を利用した!? 兵法三十六計で占う衆議院総選挙(下)

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その他の少数政党の運命は?

一方、公明党や共産党などとは違い、国民新党、新党大地・真民主、新党日本、新党改革といった「乱立政党」は第3極Bグループの位置づけである。

今後の政局と時代の流れを見る限り、いずれはどこかの政党(第一極か第二極)に吸収される運命、若しくは、単独でひっそりと次なるチャンスに賭けることになるのだろう。そのためにも第三極Bグループの戦術は今や6つ目の「敗戦計」しか残ってはいないのである。

正直に言えば「脱原発」も「卒原発」も、世界の日本経済の立ち位置を考えるとあり得ない政策である。あえて個人的な意見とするが、誰だって脱原発が出来れば良いに決まっている。

七重苦、八重苦に苦しむ日本経済が生き残るにはエネルギー政策で世界経済と差別化をしない限り、日本経済は持たないと思う。私はレアメタル資源を仕事にしているから判るが再生可能エネルギーは50年先でも人類に貢献する事はないと断言する。

ならば化石燃料で当面はお茶を濁そうと素人は言うが、シェールガスが出てきても日本には金がない。資源のない国家だから安全な原発を売り物にして儲けるしかないと思う。科学の発展に時として失敗は避けられないが、それを安全に改善していくのが「技術立国日本」の使命ではないのか?他の国で出来ないことに挑戦するべきだ。

今、飛行機の中で原稿を書いているが、飛行機は落ちることもある。落ちたらそれで一巻の終わりだが、便利だから人類は航空機産業を発展させてきた。極論だが飛行機が怖ければ乗らなければ良いだろう、原発が怖ければ原発のない後進国に移住すれば良い。自動車事故で死ぬ人もいれば、自殺する人も日本では3万人以上いる。

日本の技術者で真っ当に勉強した人なら、こんな話は当たり前の話だ。政治の争点に原発ゼロをするのは良いが「脱原発」「卒原発」をネタに国民を惑わし、日本を三流国家に貶めるのはそろそろ止めてもらいたい。

最後は「逃げるに如かず」

さて、いよいよ最後の兵法三十六計、六番目の戦術は「敗戦計」である。

「敗戦計」とは、圧倒的劣勢の場合に用いる奇策である。少数政党は「ダメ元」、「なくすものはない」といった気持ちでやるしかないだろう。

1)美人計 (びじんけい)
土地や金銀財宝ではなく、あえて美女を献上して敵の力を挫くという策略である。所謂「ハニートラップ」というやつだ。

強い敵には策略を用いて攻め,知謀のある将帥にはその情に訴えて戦意を喪失させる必要がある。この美人計とは,物や美女で敵を誘惑し,闘志を衰えさせ,敵を内部から崩壊させるという策略である。

選挙民の半分は女性である。今回の迷走選挙では女性票の行方が気になるところだ。ダーティーなイメージの候補者には女性票は敬遠する。ダーティーなイメージの最右翼は小沢一郎氏である。ダッチロールを繰り返した「国民の生活が第一」は嘉田由紀子氏を代表に祭り上げ小沢一郎氏の傀儡党として結成させた。

まず岩手と千葉の二大拠点にレディース作戦をスタートさせた。千葉3区で出馬する岡島一正候補などは、千葉5区の相原史乃、千葉8区の姫井由美子、千葉9区の河上満栄、等の各氏とともに、千葉を地盤に新たに嘉田由紀子氏のイメージを生かした言わば美人計で勝負に出ている。

2)空城計(くうじょうけい)
 自分の陣地に敵を招き入れることで敵の警戒心を誘い、攻城戦や包囲戦を避けることをいう。

3)反間計(はんかんけい)
 スパイを利用し、敵内部を混乱させ、自らの望む行動を取らせることをいう。
中国の大使館の職員が詐害行為や諜報活動をしているのではないか、という話は良く聞く。逆に日本の大使館員が中国の女スパイに弱みを握られ秘密情報を出さされた話もある。

4)苦肉計(くにくけい)
 人間というものは自分を傷つけることはない、と思い込む心理を利用して敵を騙す。
 鈴木宗男氏も小澤一郎氏も満身創痍である。無罪を勝ち取っても余り言い訳をしないのは一種の苦肉の策に近い。誰かのように自殺を選択するほど、やわではない。このぐらいの覚悟がなければ政治家にはなれない。

5)連環計(れんかんけい)
 敵と正面からぶつかることなく、複数の計略を連続して用いて勝利を得ることをいう。

6)走為上(そういじょう)
 これは勝ち目がないなら、戦わず全力で逃走して、損害を避けることをいう。

これまであらゆる計略や策略を分析してきた。高尚な戦略から始まり、悪あがきと云われてもこすっからいと云われても男の意地にかけて勝利にこだわり兵法三十六計を研究してきた。

しかしながら潮目が変われば、風向きも変わることもある。年貢の納め時もあれば潮時もやがてやってくるものだ。この際、勝ち目がないならば、戦わずに全力で逃走して損害を避ける方がよほど賢明である。

二世議員や三世議員が跡継ぎをしてくれるならまだ未来もあるが、残念ながら武運拙く最後の時が来るのもまた政治家の人生である。「三十六計逃げるに如かず」「逃げるが勝ち」ということで、「兵法三十六計」を終了とさせていただきたい。

第三極Bグループの各政党の票は現時点では読み切れない。だが直感も含めて予想させてもらえれば、公明党は21議席から30議席へ、社民党は5議席から変わらず。一方、共産党9議席から10議席に、国民新党は3議席から1議席に、「新党大地・真民主」は3議席から2議席に、新党日本の1議席は変わらず、新党改革は議席ゼロといったところだろうか。

中村 繁夫 アドバンストマテリアルジャパン社長

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なかむら しげお / Shigeo Nakamura

レアメタル(希少金属)の専門商社「アドバンスト・マテリアル・ジャパン代表取締役社長。中堅商社・蝶理(現東レグループ)でレアメタルの輸入買い付けを30年間担当。2004年に日本初のレアメタル専門商社を設立。著書に『レアメタルハンター・中村繁夫のあなたの仕事を成功に導く「山師の兵法AtoZ」』(ウェッジ)、『レアメタル・パニック』(光文社ペーパーバックス)、『レアメタル超入門』(幻冬舎新書)などがある。

 

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