第3極を最後に制するのはどの政党か?
今回の選挙では合計12政党が入り乱れているが、日本維新の会とみんなの党と日本未来の党は言わば、第3極のAグループである。
「結局、民主党もかつての自民党と同じムジナだった」と思っている多くの無党派層にとっては、自民党と民主党以外の第3極に期待するしかない。
維新の会には勢いがある。一方、みんなの党は真面目な印象がある。未来の党にはサプライズがある。それぞれに日本を変えてくれる雰囲気を持っている。
「維新」に太陽の党が合流したように、国民の生活が第一と「脱原発、反TPP,減税」がまず合流し、嘉田由紀子滋賀県知事を担いで、最後に日本未来の党に統合させた。
国民は日本維新の会とみんなの党はてっきり合流するだろうと期待していた。ところが、両党の首脳は、最後になって「小異を捨てて大同につく」ことはできなかった。
歴史に「たら、れば」はない。だが、実に残念至極である。この背景には何があったのかを検証して見たいが問題は実に複雑だ。政界編成の動きの中に権謀術数が渦巻いているように思われる。だからこそ、今回のテーマである「兵法三十六計」を研究する価値があるのだ。
単純にみれば、石原慎太郎氏の率いる「太陽の党」(直前まではたちあがれ日本)が、日本維新の会に合流したことで、渡辺喜美氏の率いるみんなの党は大同につく道を断念、独自路線を進めることにしたのである。
この時点で計略・謀略・策略の匂いがする。日本未来の党の結党までの一連の動向などはさらに策略・謀略の匂いがする。
それはそうと、選挙が終了して仮に自民党が第1党となり、民主党が第2党を維持し、日本維新の会が仮に第3党に滑り込んだとしよう。その時に後塵を拝したみんなの党と日本未来の党はどう判断し、どのような合従連衡を今後、目指すのであろうか?こうしたことを詰めておく必要がある。3つの党の戦いを制するために、兵法三十六計を研究する価値はここにある。
「維新の会」の石原氏擁立作戦は吉と出るか
さて、前回は兵法三十六計が6つのカテゴリーに別れ、その6つも強弱に応じて6つに分かれているので、三十六計なのだということを述べた。また、6つのカテゴリーのうち、最初の「勝戦計」「敵戦計」を自民党、民主党にあてはめて分析してみた。
第3極の党には何があてはまるか。戦いの主導権を握っているわけではないので、勝戦計ではない。では何か。ここで出てくるのが3つ目のカテゴリーである「攻戦計」の戦術である。すなわち、戦う相手が一筋縄でいかない場合にとる戦略だ。日本維新の会にとって必要な計略がこの中に書かれてある。日本維新の会のために、この「攻戦計」を分析してみたい。
日本維新の会の橋下徹氏にとって、少なくとも最近までは、なくすものは何もなかった。それゆえ、周りを気にせずにこれまで縦横無尽に攻撃するところに強みがあった。
また、攻撃は最大の防御でもあった。日本維新の会にとって、戦いの環境とその立ち位置はそれほど、恵まれていなくても、これまでは常に強気で進めてくることが出来たのは橋下氏の性格や個性に頼る部分もあったが、やはり数年間で大阪を変えた実績がものを言ったとみるべきだ。
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