これまで「衆議院選挙、兵法三十六計戦略編」として、(上)では、自民党と民主党の戦い方の指南をした。また、(中)では維新の会」と「みんなの党」と「日本未来の党」による三つ巴の戦いに必要な三十六計の計略について書いた。
いよいよ、最後の(下)においては 「公明党」「社民党」「共産党」に加えて「国民新党」「新党大地・真民主」「新党改革」(順不同)などについて記してみたい。
私も38歳のときに政治家を目指した
実は、私の会社で16年も勤めた元社員が会社(アドバンスト・マテリアル・ジャパン、AMJ)を辞職して、今回みんなの党から立候補している。昨年、尖閣諸島の問題から発生したレアアースの輸出禁止を経験して、義憤を感じてみんなの党に論文を送ったところ、党本部からの呼び出しがあり、党幹部との面接を通じて立候補を決断したのだ。
彼は、会社の方はすぐに退職して今年の春から毎日、朝と夕に駅に立って街頭演説をし始めた。サラリーマンが急に政治家を目指すのは大変な努力が必要だが、みんなの党にはこれまでの政党にはない真面目さというか、良い意味での素人臭さがあり、無党派層にとっては新鮮に映る。
実は私自身も、38歳の時に政治家を目指した時期がある。妻が当時、社会党の副委員長の第二秘書をしていた関係から、知らず知らずに興味をもったのである。政治家としての資質があるとは思わないが、情熱だけは人一倍あったので、一回しかない人生に政治を志すことは男の本望だと思った。
ところが冷静に分析すると、甘い世界ではないことはすぐにわかった。地盤がなく、看板がなく、ましてやカバン(即ち資金)がないのに、政治家を目指すことは常識はずれであった。カミさんは猛反対をした。彼女は議員会館内の微妙な人間関係にも悩んでいただけに、自分の夫が政治家を目指すなどは考えたくもなかったようだ。
子供達が小学校に通い始めた時期であったから、ただひたすら家庭を守ることが夫婦ともども一番幸せだと説得された。
確かに生半可に道楽で政治家を志した人で、人間的な魅力に溢れた人に会ったことはなかった。むしろ、政治の世界につかった人達は依存心が強く、大きな事を言う割に実力がなく実業の道ではやっていけないタイプの人が多かったように思った。
おまけに、付き合ってみるとお金に汚い人も多かった。当時の政治風土には利権構造を利用して「楽をして儲ける」発想になり易い環境があったのかもしれない。いろいろと考えた結果、ビジネスマンの視点で言えば、政治家は理に合わない職業だと思い、政治家の夢は断念した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら