さて、戦略、戦術、戦闘の意味をここで再度考えてみたい。我々は同じように使っているが、実はおのずと違った意味合いがある。
戦略が「大局」を領域としているのに対し、戦術は「小局」の部分である。「着眼大局、着手小局」という言葉がある。
政党のトップは大局で考え、実行部隊は小局で対応しなければならない。戦略と戦術の関係は、トップが策定するのが「戦略」で、下の部隊が策定するのが「戦術」であり「戦闘」とは具体的な戦いそのものだ。
一方、戦術の中には計略、策略、機略、謀略などの類義語が多くあるが、基本は同じことで「だまして勝つ」ことである。
計略に関する類語はかなり多くあるが、中国語でも日本語でもこれだけ多くあるということは、中国の歴史の中で「人をだますこと」が当然であった証拠だ。逆に日本人にとってこうした言葉に多少なりとも違和感と嫌悪感を感じるのは「きれいごと」の好きな国民だからだろうか?
まずは計略に関わる類語を見てもらいたい。謀略, 計謀, 策略,詭謀, 詐術, 謀計, 罠, 姦詐, 術策, 悪巧, 奸詐, 術計, 悪計, 羂, 偽計, 虚実, 計策, 瞞着手段, 策謀, 姦計, 奸計, 籌略, 欺罔, 策略, 謀, 狡計, 詭計といった具合である。これらの内容の意味に大きな違いはないが、言葉のニュアンスは読んで字の如しである。
公明党、社民党、共産党はどこに行くのか?
さて、勝戦計、敵戦計、攻戦計、混戦計と見てきたが、三十六計に出てくるの6つの「戦計」のうち、5番目の戦術は「併戦計」である。
「併戦計 」とは公明党、社民党、共産党のための作戦である。従来の第三極が日本維新の会みんなの党未来の党にとって代わったので、古い価値観を捨てずに頑張っている政党は2.5極という位置づけになるのだろうか?
この伝統ある政党群をひとまとめに記述するのは失礼かも知れないが、今回は三十六計の戦い方を書いているので許してもらいたい。
公明党は「日本再建」を、社民党は「生活再建」、日本共産党は改革ビジョンとして、「60年続いた自民党型政治のゆがみを断ち切り、国民が主人公の新しい日本を」という長ったらしいスローガンを掲げた。ちなみに私自身は国政選挙はともかく、県議員や市会議員は共産党に投票して来ている「ねじれ共産党ファン」である。バランス感覚を大事にしたい典型的な無党派層である。従って、前回の衆院選では無節操にも単なるムードで民主党に投票してしまったのだが、これは痛恨の極みであった。
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