「維新」の議席数はズバリ60以上だ!

兵法三十六計で占う衆院選(中)

打算のリンケージが動き出した

小沢一郎氏が民主党から集団脱党して旗揚げした「国民の生活が第一」でいくらあがいても、「敗軍の将」で「はい、それまでよ」と思わせたかに見えた。ダッチロールを繰り返していた亀井静香と河村たかし氏が合流してもたいしたことはないように見えた。

ところが、最後に妙手があった。嘉田滋賀県知事が小沢一郎氏の呼びかけで小沢党と亀井党と河村党の「脱原発」をまとめた「未来の党」を新たに結党するという「はなれ業」を実行させたのだ。(注:みどりの風の議員3名が未来の党に合流したためみどりの風は解党手続きとなった)

小沢一郎氏は「マドンナおばさん」嘉田氏の「卒原発」に目を付けた。ここのところが「天才の天才たる所以」である。混乱状態の脱原発問題をすっきりと一本化して、国民に分かりやすいメニューを用意した。

国民は当然「嘉田知事が小沢一郎に乗せられた」と思った。だが、緊急記者会見で彼女は「小沢さんを使いこなす」と豪語したから一気に「政界の台風の目」となった。

小沢一郎、亀井静香、河村たかしの3氏も話を合わせて、単なる「一兵卒」で協力すると云う。言わば「負け組の親分衆」が突如現れた「歳をとったジャンヌダルク」にかしずいたのである。日本国民はこれらのシナリオには意外に弱い。

本当のことを言えば、すべてが出来レースで嘉田氏も「確信犯」である。「卒原発」といいながら全てが打算でつながっている。嘉田氏は衆議院選に立候補せずに滋賀県知事と「日本未来の党」の党首として掛け持ちをするらしい。橋本徹氏が大阪市長と日本維新の会の代表代行を両立させるといっているのと同じだが、常識人ならそんなことが可能でないことは重々承知のはずである。

この一連の未来の党結党の裏舞台には、虚々実々の戦略と戦術が見え隠れする。よくよく研究してみると中国4000年の「兵法三十六計」のすべての計略が詰め込まれているといっても過言ではない。兵法三十六計の面白さは、やはり弱者が生き残るための計略・謀略・策略にある。

4) 関門捉賊(かんもんそくぞく)
 敵の退路を閉ざしてから包囲殲滅する。講和や停戦を餌にして敵を逃げられないようにしてから一気に襲い掛かる戦術だ。「みどりの風」の衆議院議員であった3名が日本未来の党への合流を表明した結果、参議院議員の4名は政党要件がなくなり、解党した。

5) 遠交近攻(えんこうきんこう)
 遠くの相手と同盟を組み、近くの相手を攻める。ビジネスでも競合企業とは手を組まず、海外企業や異業種企業との連合を進めるのと同じことだ。第3極の三つ巴の戦いでは、泡沫政党や脱走兵候補者を引っ張り込む戦術がありえる。選挙というのは最後にお金がモノを言うから、一本釣りが得意な政党が有利であることは当然である。

6) 仮道伐虢(かどうばつかく)
 攻略対象を買収などにより分断して、各個撃破するという中国歴史には良くあるパターン。攻略したい相手の不満分子を買収して分断して力を殺ぎ、撃破する計略だが、いったん同盟して利用したものも、後には攻め滅ぼすことが一般的だという。日本の政治の世界では、主に政党助成金を目当てに党の運営をするが、組織を大きくしようとすると金がかかるから、党内政治においても権謀術数が渦巻くケースも多いようだ。

みんなの党の現有議席は7議席だ。だが、終盤の選挙活動次第では、15から20議席も可能、と予想する。一方、未来の党は現有議席が62議席だが、21議席から27議席が期待できそうだ。いずれも最後の追い込みで、兵法三十六計が応用された場合である。

次回は、乱立政党の兵法三十六計の応用編にご期待ください。

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