京都「超内向き」気質が今、様変わりしている 気鋭の若手リーダーたちが打ち出す一手

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日本のライフスタイルという意味では、京都の「町家」も外国人からクールなものとして定着してきている。京都の西陣、清明神社も近い昔ながらの街並みが残る地域にある「冨田屋」では、町家の建物内部と家具・調度品などの見学や代々受け継がれている商家のしきたりや暮らしぶりを学ぶことができる(要予約)。

「冨田屋」の中は町家独特の雰囲気

やはり外国人の利用者も多く、筆者が訪れた際もシンガポールから「着物体験」に訪れた観光客に出くわした。彼・彼女らからは主に「古い家屋に歴史を感じられた」「体験(主に着物と茶道)が楽しかった」という声が聞かれるそうだ。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」のルーツともいうべき「精進料理」も、観光資源としてより魅力を増している。沙羅双樹の庭で有名な妙心寺東林院では、精進料理教室『寺のおばんざい 禅寺で精進料理を体験する会』(要予約)が開かれている。

ただ「体験しておもしろい」「食べておいしい」というだけでなく、「食も修行のうち」という禅の精神を、料理を通じて学ぶことができるというのが、国内外の観光客の興味をそそるようだ。

「外向き」な若手リーダーが続々登場

「永楽屋」の京都の直営店には、さまざまな国から観光客が訪れる

これだけ多方面から熱い視線が注がれるようになる中、元来「内向きな京都人」も変わり始めている。老舗の経営者も世代交代が進み、グローバルな情報発信をいとわない若手リーダーが続々出てきているのだ。

手ぬぐいで有名な「永楽屋」は、日本最古の綿布商として400年の歴史を持つ。現在の当主、十四世・細辻伊兵衛社長は、これまでの常識にとらわれない、アート作品としての手ぬぐいを確立。今年からイギリスの「ヴィクトリア&アルバートミュージアム」のミュージアムショップに納品するなど、グローバル展開も推進している。

「世界中の方々に評価頂けるのは大変嬉しく思います」(細辻伊兵衛社長)。京都の直営店にも、幅広い国から外国人が訪れているそうだ。伝統文化の継承と現代アートを融合させることで、新たな顧客の獲得に成功しているようだ。

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