京都「超内向き」気質が今、様変わりしている 気鋭の若手リーダーたちが打ち出す一手

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市内を歩いていると、個人レベルでの英語力が向上していることにも気づく。お土産屋さんや旅館などでも「May I help you?」と流暢な英語で対応していたり、バス待ちの場面で、バスの系統を英語で説明する市民もよく見かけるようになった。

行政側の取り組みも進んでおり、京都市では、13言語に対応した外国語ウェブサイト「京都オフィシャルトラベルガイド(Kyoto Official Travel Guide)」や「Kyoto Wi-Fi」など受入環境の整備に力を入れている。

また各団体と協力して「Kyoto」ブランドの拡散にも邁進しており、日本政府観光局(JNTO)の海外でのプロモーションとの相乗効果で、さらにインバウンド需要を取り込んでいる。

「座禅体験」に押し寄せる外国人観光客

しかしながら、実際のところ外国人が日本に求めているものは、交通の利便性や整備された英語環境だけではなさそうだ。

近年、外国人の日本文化に対する知識はさらに深くなっている。「座禅」は、GoogleやIntelなどのグローバル企業が会議の際に取り入れている「マインドフルネス」に近いとして、集中力を高めたり、クリエイティブな思考を養ったりするためのツールとして、近年注目を集めている。

海外からもたくさんの座禅体験者が訪れる

京都最古の禅寺「建仁寺両足院」の座禅体験に訪れてみると、10数人の参加者の半数近くは外国人で、スペインやアメリカ、台湾から来日したという。住職の方からは禅の考え方や座り方のわかりやすい説明があり、初心者でも安心して体験できる内容だ。

「ただそこにいる」というシンプルな考え方が、座禅の根底にはある。そのあたりまできちんと説明してくれるため、国籍や思想を問わずそれぞれのライフスタイルに適合でき、海外の人にも受け入れられやすいのかもしれない。私自身、重要なプレゼンの前に集中したい時や気持ちのスイッチを切り替えたい時に、この体験を思い返して瞑想することが多くなった。

座禅が体験できるお寺は、かなり増えている。加えて臨済宗では、今年2016年が宗祖である臨済禅師の1150年忌、そして来年2017年は、白隠禅師の250年忌ということで、『禅 いまを生きる』というテーマでさまざまな記念事業を実施している。先日六本木ヒルズで開催されたトークセッションもかなり盛況で、特に外国人や女性が多く参加していた。

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