京都「超内向き」気質が今、様変わりしている 気鋭の若手リーダーたちが打ち出す一手

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京都出身だとわかるやいなや、外国人から質問攻めにされる筆者

社会人になって京都を離れた私は、やがて国際交流の仕事に携わるようになり、グローバルな環境に身を置けば置くほど、故郷を頻繁に訪れるようになった。

というのも、外国人と話していると、日本の伝統文化について日本人以上に詳しい人が増えており、驚かされるのだ。私の出身が京都だと知るやいなや、「1日のうちどれくらいZen(禅)をするの?」「Maiko(舞妓)の友達はいるか?」など、質問攻めにあってしまい、恥ずかしながらそこまで精通していないため、とても困ってしまう。

以来、なるべく京都を訪れる機会を作って、少しでも伝統文化に触れる機会を設けるようにしている。日本とりわけ京都の伝統文化は世界でも認知されるようになってきたのを肌で感じる。

「交通の便が悪い京都」は、もう過去の話?

昔から「交通の便の悪さが観光する際のネック」と言われてきた京都だが、急速に改善が進んできている。

まずはタクシー。京都ではファンの多い「MKタクシー」をご存知だろうか。京都で創業し、現在は東京、名古屋、札幌など全国8都市と、ロサンゼルス、ソウル、上海の海外3都市にも進出している。

海外出張の多い仕事柄、タクシーはその街の第一印象を決める重要なポイントであるとつくづく思う。マナーの悪い運転手、ぼったくり運転手などに会うと、それだけでガッカリしてしまうし、その都市まるごと嫌いになってしまったりもする。

だがMKタクシーは、サービスの一つひとつが普通のタクシーとまるで違う。ドライバーによって多少の差はあるが、指定の時間に遅れないことはもちろん、目的地までの事前のコース確認や、乗降の際に下車してドアを開けてくれるサポート、気持ちのいい挨拶などなど……。これが出張先にあればといつも考えるほど高いクオリティで、まるで一流ホテルに宿泊するようなホスピタリティを受けることができる。

半世紀以上前に創業した同社では、1992年から「英国留学制度」を設けて国際化を進めてきた。また独自の英語資格制度も導入、京都の地を中心に、いち早くグローバル化を推進してきた。

その土地に精通していなければなかなか使いこなせない市バスにも、工夫が満載だ。観光地を走るバスは「世界遺産巡り」などテーマに沿ったものを運行しているほか、22時以降も10分間隔で運行している「かわらまち・よるバス」「ぎおん・よるバス」も、国内外の観光客に重宝されている。

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