村上隆(上)「世界で勝つには、勘・挨拶・執念」 アートの世界で、僕が生き残れている理由

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――日本社会はもっと、「特異点」、つまり、特別な存在や成功者を大事にすべきだと主張しています。

成功している人を妬むのって、その当人も、社会も萎縮させますよ。ネットのクレーマーとか、したり顔ですが、それが正義だとまかり通る時代も、もうすぐ終わることでしょう。僕の修行の場だったアメリカは、成功している人を賞賛し、さらに伸ばす気質がある。そういう社会だからこそ、特異点が育ちやすく、社会を牽引できるくらいのスーパーアイデアが生まれているのでしょう。例のノーベル賞の山中伸弥さんも、アメリカでの修行が肝であったと著書で述べていました。

――村上さんもアートの世界における成功者ですが、自身に対する批判や嫉妬を感じますか。

日本での村上批判は、実はそのレベルにも達しておらず、コンテンポラリーアートがよくわからないので、詐欺扱いしているだけです。なので、批判にも嫉妬にもなっていない。

それに、この質問そのものが間違っていますよ。だって、僕は繰り返し、自分の著書の中で、「作家本人の死後、その真価が問われる」と言い続けてきているのですから。

2010年には、フランスのベルサイユ宮殿で大規模な展覧会を開いた。(C)Koichiro Matsui

――今のような日本に嫌気が差して、海外に出て行こうと思うことはありますか。それとも、日本の未来に希望を持っているのでしょうか?

日本はアメリカに比べて、特異点の才能が伸びづらい国です。これは厳然たる事実です。多くの事例がそのことを裏付けています。だから日本国内だけで、世界レベルのクリエーティブな事象を造れる才能の開花は難しいと思いますね。

そんな日本に希望はあるかどうかと言われても困りますが、日本人は判断停止の子どものような幼稚な時代の終焉をそろそろ演じる覚悟が必要でしょうね。何でもかんでも反対反対って、赤塚不二夫が「天才バカボン」で書いた「反対の賛成」とまったくメンタリティが変わっていないんです。これでは未来は創造不可能です。

(撮影:尾形文繁) 

※インタビューの続きは、こちら

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