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反核からラフォーレまで。熱量のある広告作り 新世代リーダー 長嶋りかこ アートディレクター

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  • 島 大輔 『会社四季報』編集長
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受け手の意識を高める広告作り

この仕事は通常の広告代理店の仕事とは違った経験で、とても印象に残っています。そもそも宮島さんが発信したい事は誰かから頼まれたことではなくて、彼個人が「世の中は今こういう状況だから、こういうことを伝えなきゃいけない」と、自ら発信していること。

仕事に置き換えると、そんな企業は意外と少ないのではないかと感じました。商品やサービスにどのような意義があって、それによってどれだけ世の中が良くなるのか、そのことを企業の人すら考えていないような場合もあります。デザイナーという立場に置き換えてみても同じです。

デザインは誰かから頼まれる事で仕事が成り立っていますが、宮島さんの場合は「とにかく世の中を少しでも良くしたい」と誰から頼まれた訳でもないのに全身全霊で作品を発信している。しかも、それをたった一人で。その姿がすごく衝撃的でした。

その時に私は、全身全霊で自分の体重をかけた行動をしている人や、そういった姿勢の企業の力になりたいと思ったし、自分自身もこういう「姿勢」でものを生みたいと思いました。広告もデザインも、世の中にものをつくって出す以上、アートディレクターとして関わって世に出したという責任がありますから。

――核兵器と影。象徴的ですね。

「peace shadow project」は、単なる署名ではなく「影を焼き付ける」という表現にしたことで、普通の署名とは比べて時間はかかるし人数も少なくなるけれど、じわじわとその人の深いところに伝わるようなコミュニケーションができました。

意識の高い人がたくさん参加してくれたこともあり、私たちからのメッセージ以上に、それぞれの解釈で感じ取っていてくれた気がします。

逆に言えば、受け手の意識が低いと何も伝わらないような場面があります。目の前にいくら価値のあるものがあっても、自分のアンテナの状況によっては何も受け取れなかったりします。

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【表現者のとしてのターニングポイント】

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