「介護」と言う言葉を生んだ発明魂 フットマーク、アイデアが湧き出す仕組み

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ビジネスにおいて、デザインが戦略の重要な要素の1つであることは、言うまでもない。デザインとはいったい何なのか、なぜ重要なのか。外見、見栄えが美しいほうがいいという以上に何があるのか。商品やサービス、店舗や施設のコンセプトを人に伝え、人の感性に訴えるデザインが生まれるプロセスをたどることで、デザインが何を成しうるのかを見ていきたい。

水泳帽をかぶるのは日本だけ

フットマークの水泳用製品群など。水泳帽や水着、水泳関連用品が、幼児用から高齢者用までのラインナップで揃っている。

プールでは欠かせない水泳帽。しかし、水泳帽をかぶるのは日本特有の習慣だったことをご存じだろうか。これを日本で初めて開発したのがフットマークである。

フットマークの前身、磯部商店は、1946年に東京の下町・墨田区両国で創業された。

当時はおむつカバーなどのゴム引き布製品を作っていたが、1970年代の紙おむつの普及により主力の乳児用おむつカバーの需要が急減した。

事業の転換を余儀なくされて、水泳帽製造に手を広げることを決断した。

当時はちょうど文部省が全国の小中学校に水泳の普及をしていた時期であり、フットマークは、プールでは水泳帽をかぶるという習慣の普及を全国に働きかけた。それ以前には髪の長い女性がかぶるくらいだった水泳帽をプールでは男女を問わずにかぶることが当たり前のアイテムに変えたのである。

その成功の原因は、プロダクトだけでなくその使い方をもデザインして、ユーザーに提案する手法にあった。児童たちがかぶった同社の水泳帽に、各人の泳力に応じて各色のマジックテープを貼ることで、指導がしやすくなった。

教師たちはプールサイドからでも児童たちの水泳帽に貼られた名札やマジックテープを見て、児童たちを泳力別のコースに選り分けることができたのである。1970~80年代のスイミングクラブのブームも追い風になり、全国にその指導方法と着用習慣が広まり、根付いていった。

水泳帽から始まった新分野開拓は、連鎖的に関連用品の新市場を創造した。スクール水着を手掛けた次には、子どもたちや保護者の声からヒントを得て、今ではすっかりポピュラーになった商品を開発した。

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