「プロビオ」を当てた明治HDが減益に沈む理由 なぜ最高益更新が4期連続で止まるのか

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2009年発売の「R-1」は、機能性ヨーグルト市場発展の起爆剤となった(写真:記者撮影)

「プロビオヨーグルト」のバカ売れが止まらない。シリーズ売上高は4年連続で2ケタ成長となり、販売元の明治ホールディングス(HD)の業績を牽引している。

同社が5月11日に発表した前2016年3月期決算は売上高1兆2237億円(前期比5%増)、営業利益778億円(同51%増)と絶好調。純利益も626億円(同3%増)で、4期連続の最高益となった。

値上げと「プロビオ」ヒットで最高益

明治HDの主力は、食品事業だ。ヨーグルトやチーズなどの乳製品から、アイスやチョコレート、そして流動食に至るまで、扱う製品は多岐に渡る。

中でも前期は、健康志向を追い風に、「プロビオヨーグルト」、「ブルガリアヨーグルト」、「チョコレート効果」の販売が伸びた。

特に「プロビオ」シリーズは、乳酸菌の健康価値を訴求し、販売金額は前期比22%増と大躍進。2013年末以降、3年連続で生産能力を増強していることも、旺盛な需要を物語っている。主力製品の売上拡大により、部門利益を116億円押し上げた。

2015年春に相継いで実施した、主力製品の値上げによる採算改善の貢献も大きい。子会社を含む収益改善と合わせると、値上げによる増益効果は217億円に上った。結果、2016年3月期に始まった3カ年経営計画の営業利益目標である640億円を、初年度に軽々と上回った。

ところが、今2017年3月期の営業利益は745億円(前期比4%減)と一転して減益を見込む。なぜなのか。

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