キンドルでさえも、ガラパゴスの罠にはまる

なぜ日本は「電子書籍の墓場」なのか(下)

続いて、(6)のフォーマットの問題と(7)のDRMの問題も、電子出版の進展を大きく妨げている。

すでに出版関係者は衆知と思うが、日本ではこれまで日本語という独特な言語の特性から、何種類もの独自フォーマットが作られてきた。そのため、電子書籍化するとなると、これらのフォーマットにいちいち適応しなければならなかった。

これは、考えてみればコストも手間もかかる、バカバカしい作業だ。

日本独自のフォーマットの中で主流のポジションを得たのは、ボイジャージャパンの「ドットブック」とシャープの「XMDF」だった。だから、これまでの日本の電子書籍は、ほとんどこのどちらかのフォーマットでつくられてきた。ただし、どちらのフォーマットもオープンではないしライセンス料もかかる。しかもXMDFを作ったシャープは、いまや企業存続も危ぶまれている状態だ。

こうなると、今後は、事実上の国際標準規格の「EPUB」に一本化されていくだろう。いまさら、日本独自のフォーマットにこだわる理由はなくなってしまったからだ。出版デジタル機構も、当初は「EPUB」での制作を採用していなかったが、楽天の「コボ」が発売されたあたりから、慌てて「EPUB」での制作を追加している。

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