キンドルでさえも、ガラパゴスの罠にはまる

なぜ日本は「電子書籍の墓場」なのか(下)

以上が、日本で電子出版が進展しない理由だ。日本が「電子書籍の墓場」である理由でもある。これが解決しないかぎり、日本の電子出版は本格的に立ち上がらないだろう。

では、この問題を誰かが積極的に解決しようとしているだろうか?

私が見たところ、その兆しは今のところない。しかも、日本の電子出版市場は、インプレスR&Dの調査報告書によると、すでに成長が止まっているのだ。

2011年度の電子出版の市場規模は629億円(推定値)。2010年度が650億円だったので、3.2%のマイナス成長である。

それにしても不思議なのは、こんな状況にもかかわらず、いまだに電子出版市場に莫大な額の投資がなされていることだ。電機メーカーも、印刷会社も、出版社も、書店も、これまで電子出版で大きなリターンを得たところはない。

「電子出版元年」と言われた2010年から今日まで、私はずっと取材を続けてきたが、成功例は皆無といっていい。前回記事で紹介したように、出版社の経営者はみな頭を抱えている。

そこで最後に言いたい。もし成功例があるなら、どうか教えてほしい。私が本当に書きたいのは「電子出版成功物語」なのだから。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT