YouTubeに踏み込むテレ朝、ためらう日テレ スマホ普及の波はテレビ局をも襲う
そして在京4大キー局で、唯一、姿を見せなかったのが日本テレビ放送網だ。日テレは前述したように、自社番組の一部をYouTubeに提供しているが、独自コンテンツを配信する今回の取り組みに、現時点では参画していない。関係者によれば「日テレにももちろん声をかけたが、期限の問題で在京キー局を含む13社が今回の第1弾となった」という。今後、合流する可能性はあるが客観的に見れば消極的な姿勢だ。
滑り出しの取り組みでは温度差はあるものの、YouTubeとの何らかの連携はテレビ局にとって必須となりつつあるのは間違いない。YouTubeはいまや全世界で月間40億時間が視聴されている。それだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などといった無線でネットにつながる端末(デバイス)の急速な普及によって、動画配信サイトの価値が上がっているのだ。
テレビ局が配信する番組は、あらかじめ決まった番組表に沿って見ていくしかないが、動画配信サイトは見たい番組を、ユーザーの意思で探し出して、いつでもどこでも見ることができる。そしてネットは国境もあっさり飛び越える。そこに日本のテレビ局の優位性はない。ならば、敵陣にトコトン入り込んでしまおうというのがテレビ朝日の戦略。それにためらっているのが日テレという構図である。
電通もコンテンツパートナーに参画へ
第1弾の13社には加わっていないが、今後、オリジナルチャンネルのコンテンツパートナーには広告業界の圧倒的ガリバーである電通の参画も決まっている。
ガラケーと呼ばれる従来型の携帯電話を駆逐し、テレビゲームの市場を侵食。コンパクトデジタルカメラやカーナビゲーションなどといった機能家電の存在も脅かしてきたのがスマホの普及。その波がテレビ局や広告市場のあり方も変えようとしている。
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