瀧本哲史「女性リーダーが成功する秘訣」

新世代リーダーの条件

最後に、女性のリーダーシップについてよく聞かれるので答えておきたい。

女性がリーダーになるのはそうはいっても結構大変だと思う。この問題には僕もすごく悩んでいる。昔、著名投資家のジム・ロジャースに、何にでも投資できるとして、今後いちばん値上がりするのは何かと聞いたことがあり、彼は「アジアの女性」と答えた。

女性リーダーには、とても期待しているが、私の印象では、個々人の中でもパフォーマンスにバラツキがあり、安定した成果はまだ出ていない。これは本来男性についても同じはずだが、女性は、特に家庭との両立も考えないといけないので、大変な立場にある。結果、ハイパフォーマーな女性に限って、すごくダークなものを抱えているケースが多いように感じる。

結論的に言うと、女性で成功している人には、見えないサポーターがいることが多い。現代の人を取り上げるのは、プライバシーの問題があるので、ここは歴史上の例を取り上げたい。

サッチャー、キュリー夫人が成功した理由

たとえば、英国のマーガレット・サッチャー元首相は、夫のデニスからのサポートがあったからこそ、政治家として大成できた。デニスは、イギリスでは尻に敷かれている男として、ジョークのネタにされやすいので、無能なイメージがあるのだが、よくよく調べてみるとまったく違う解釈も可能になる。

彼女が最初の選挙で落選して失意にくれているときに、デニスがプロポースして、2人は結婚する。そしてデニスは、選挙に当選するためにも、今までのフェミニスト的すぎる姿勢を変えるよう、サッチャーに助言する。その後も、自分の経営する会社を売却することで資金と時間をつくり、サッチャーを支え続けた。

同じように、マリー・キュリー(キュリー夫人)も、いわば、田舎から出てきた小娘だったのに、不遇ではあったがすでに一部では天才視されていた、ピエール・キュリーによって見いだされたことで、才能が開花し、娘夫婦を含め通算5度のノーベル賞を受賞する家族となる。実は、ピエール自身も、マリーとの出会いによって人生を変えることになった。

だから僕は、女性にとって、よき伴侶を見つけることが絶対的に重要だと思うし、キャリアのある女性をパートナーにしている男性は、自分に何ができるかをよくよく考えてみるべきであろう。

(撮影:梅谷秀司)

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