瀧本哲史「女性リーダーが成功する秘訣」 新世代リーダーの条件
リーダーとしての実践経験を積むには、まず小さい組織でリーダーをやるのがいい。たとえば、NPOはお薦めだ。
自分が会社では平社員でも、NPOで学生ボランティアを組織するリーダーになったとすると、リーダーシップを身に付けざるをえない。報酬を出せない中で、やる気のないボランディアをどうマネジメントするかを学べるだろう。しかもNPOの場合、失敗したとしても、リスクはさほど大きくない。
加えて、宗教団体に入っている人もリーダーシップがある人が多い。なぜそうなのかというと、小さい頃から、人をまとめたり、スピーチをしたりする機会が多いからだ。
だから、地域の活動でも、NPOでも、宗教団体でも、何でもいいので、無理にでもリーダーになる経験を積んだほうがいい。ただし、混乱した時代には「ニセ予言者」も大量に出てくるので、それを見極める目も重要だ。
東大生も多様化している
今、社会起業家が多く生まれているが、社会起業は人を使う能力を磨くという点でいいと思う。
最近の若い世代を見ていると、多様性が高まっている。この秋から、東大でも教えているのだが、東大生で言うと、平均値は昔よりも下がっているが、分散値が高まっているので、いい人はすごくいいという感じがする。しかも、「いい学生」のタイプが均一ではなく、いろいろな「いい学生」がいる。
今は、新しいリーダーのロールモデルが出始めている時期だ。成功の定義も含めて、ロールモデルの種類が増えるのはいいことだ。やはり、ロールモデルがあるかどうかはすごく大きい。
個々人は、多様なロールモデルの中から、自分の好きなモデルを選べばいい。そして、自分なりの工夫をして、また、次の世代に新しいロールモデルを提案していってほしい。