「日経平均は1万6845円を超えない」は本当か 「幻のSQ」が出たら「相場はヤバイ」?
5月13日の金曜日の日本株について、「不思議な感覚」を持った読者も多かったのではないだろうか。というのも、日経平均株価の寄り付きは1万6804円と大幅なプラスでスタート。だが、終わってみると前日比234円安の1万6412円と、5日ぶりの反落で取引を終えた。寄り付きから見たら、なんと392円も安く引けたことになる。
一部の市場関係者の説明はこうだ。「寄付きの段階でSQ値算出に絡んだ売買によって、大幅な買い越しとなり、日経平均が高く寄り付いたのが一つの原因」。実際、5月のSQ値は1万6845円で、前出の13日の日経平均の高値1万6804円を上回る水準となった。
13日の取引時間中、日経平均はこのSQ値を一度も上回ることができなかったわけだが、このように実現しなかったSQ値のことを、業界では「幻のSQ値」という。早い話、相場関係者によれば、幻のSQが出たことが、13日の相場が下がった理由の一つだ、というわけである。
今回のコラムで言いたいのは、この「幻のSQ値」1万6845円がそこそこ重要であるということ、そしてその「賞味期限」は、ほぼ2週間程度だ、ということだ。どういうことか。追ってご説明しよう。
そもそもSQとは何か?
そもそも「SQ」とは何だろうか。これは「Special Quotation」の頭文字を取ったもので、「特別清算指数」と呼ばれる。先物やオプションなど、「区切りのある取引」(例えば1か月などの決済する期間。先物とオプション取引の違いは、日本取引所のHPなどがわかりやすい)で用いられるものだ。
先物のSQは3か月ごと、オプションのSQは毎月算出されている(両方とも第2金曜日)のだが、そのうち先物とオプション取引の両方の精算がある3、6、9、12月に算出されるものは「メジャーSQ」と呼ばれる。それ以外に算出されるものは「ミニSQ(マイナーSQ)」という。今回の5月はマイナーSQだったわけだ。
ではSQは、何のためにあるのだろうか。
通常、例えば先物取引などは、当初に買った「先物価格」と「現在の先物価格」との差額を、区切られた期日までに取引をして、利益や損失を確定したりする。また、やはり期日までに「ロールオーバー」をする取引などもある(決済をしたうえで、買いや売りの持ち高を、次期に持ち越すこと)。
SQが使われるのは、それ以外についてだ。つまり、取引の最終日までに決済されなかった先物やオプションの建玉については、SQ算出日に強制的に決済されるのだが、そのために、このSQが使われるわけだ。
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