「日経平均は1万6845円を超えない」は本当か 「幻のSQ」が出たら「相場はヤバイ」?

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アベノミクス相場がスタートして以降(安倍氏と野田氏の党首討論の翌日2012年11月15日と仮定)、41回のSQ算出があった(今回除く)。このなかで「幻のSQ値」は14回。

そのうち、今回のように「上に残す幻のSQ」は4回(13年4月、14年11月、15年4月、同6月)。一方、「下に残す幻のSQ値」は10回(13年7月、同11月、14年6月、同7月、同12月、15年5月、同9月、同10月、同12月、16年1月)あった。これまでの傾向を見る限りでは「上に残す幻のSQ値」の方が少ないことがわかる。

次にこれら「幻のSQ値」が発生後、上値抵抗(逆の場合は下値サポート)となったかどうかを検証すると、なかには、2013年11月のようにSQ値1万4013円を一度も下抜けることがないまま右肩上がりの相場展開となったケースもあるが、1~2週間の間にSQ値を上抜けもしくは下抜けしているケースが多くを占めていることがわかる。つまり「上値抵抗もしくは下値サポートとしての賞味期限は短い」ということだ。

賞味期限が短い要因の一つとして考えられるのは、SQ値算出に絡んだ売買が減少していることが挙げられる。13日のSQ値に絡んだ売買は金額ベースでは、1500億円ほどと観測されている。毎月の「ミニSQ」なので、これぐらいと言えばそれまでだが、金額規模で見ると、前引けや後場寄りのタイミングで入るバスケット取引もしくはクロス取引とほぼ同じ水準と言える水準だ。SQ値算出は「月に一度の需給イベント」とも言えるが、足元のSQは金額規模でさして目立った取引ではないことから「節目」としての意味合いも薄くなっていると思われる。

逆に言えば、相場を一変させるような大きなイベントなどがあれば、強いトレンドが発生するわけで、その場合は、こうした「幻のSQ値」は簡単に突破される可能性が高い、ということだ。

次のヤマ場は「伊勢志摩サミット」前後か

では「幻のSQ値」は意味のない格言なのだろうか?

確かに、これまで発生した「幻のSQ値」を検証するとさほど気にするレベルではなさそうだ。ただ、投資を考える場合、実は、「投資家の心理状態」こそ、相場を左右する上での大きなファクターなのである。

とすると、「幻のSQ値」を意識する市場関係者が多い状況下では、一定の節目としての効果があり、想定よりも意外な大幅安となった可能性がある。結果として、賞味期限は短いかもしれないが、少なくても1~2週間は「しこり」として意識されることからも、やはりこの価格を頭の片隅には置いておいたほうがいいと言えそうだ。

以上の検証の結果、今回「上に残す幻のSQ値」となったことから、今後1~-2週間は5月SQ値の1万6845円が上値抵抗ラインとして意識されよう。決算発表が峠を越したことから、市場関係者の関心は新しい成長戦略の発表など政策関連に移る。今のところ市場では26~27日の伊勢志摩サミット前後には何らかの方針が発表されると見られている。時期的にも2週間後に当たることから、まさに「上に残す幻のSQ値」の賞味期限内と言えよう。5月第4週までは、この5月SQ値1万6845円を意識しておいて損はなさそうだ。

田代 昌之 マーケットアナリスト

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たしろ まさゆき / Masayuki Tashiro

北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。先物・オプション、現物株、全体相場や指数の動向を分析し、クイック、ブルームバーグなど各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへのコメント提供を経験。経済誌への寄稿も多数。好きな言葉は「政策と需給」。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。2018年にコンプライアンス部長に就任。フィスコグループで仮想通貨事業を手掛ける株式会社フィスコデジタルアセットグループの取締役も務める。

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