30代で始める「ノマド・トレーニング」

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「どこでも自分の力でやっていける能力の持ち主=ノマド」ですから、会社員であっても独立する人であっても、ノマド・トレーニングをしておいて損はありません。実際はノマドにならないとしても、鍛えておいたほうがいいことばかりです。どれほど業績のいい会社であっても、5年先は誰にもわからないというのが現実なのですから。

30代のビジネスパーソンにおすすめの5つの「ノマド・トレーニング」がありますので、簡単に紹介しておきましょう。

(1)マルチキャリアに挑戦する

ノマドとは、とらわれない働き方である以上、「本業/副業」といった概念からも自由です。いくつかの仕事を同時並行でこなす人も少なくありませんし、私自身、ベンチャー企業への投資および育成、会社経営、コンサルティング、大学講師、執筆といった多岐にわたるビジネスを、日本、ハワイ、サンフランシスコで行っています。

今後、ノマドをめざす人であれば、会社員のうちからトレーニングとしてマルチキャリアに挑戦するといいでしょう。また、最近は多くの企業で副業規定が緩やかになりつつあります。

会社員であっても、第2、第3のビジネスを持つことが珍しくない時代が来るということです。会社が絶対のセーフティネットでなくなるのですから、マルチキャリアは万人の課題といっても過言ではありません。自分の能力を売って稼ぐことがどれほど大変かを実感する意味でも、30代でトライすべきです。

具体的なトレーニングとして私がおすすめするのは「副業」ならぬ「複業」をすること。その際には、「(1)競合他社での複業、(2)本業がおろそかになる複業、(3)時給の複業」の3つはNGです。こうしたパターンに陥るのは、目先の稼ぎに飛びついてしまうからです。

報酬にとらわれず、もっと長期的な視点で、自分の能力を高めるためのトレーニングをしましょう。時間を有効活用できて、発想が広がるようなものを選びましょう。自分の本を出す、情報をネットで売るなど、本業と相乗効果が出る複業を選べば、たとえ報酬は少なくても有効なトレーニングとなります。

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