ウォール街とオバマ大統領、言葉は一見手厳しいが具体的な行動は手ぬるい
米国証券取引委員会(SEC)がゴールドマン・サックス(GS)を、サブプライムローン市場で不正に関与したとして訴えた事件がある。両者は2010年7月に、GSが5億5000万ドルの罰金を支払うこと、ビジネス手法の一部を変更することで合意した。しかしSECは、GSが犯罪を行ったことを自ら認めることは、なぜか要求しなかった。
以前、GSのロイド・ブランクファインCEOが上院調査常置小委員会でカール・レビン上院議員と対決したことがある。これはウォール街の“強欲と傲慢”を象徴する出来事として有名だ。これでブランクファインは尊敬されるビジネスリーダーから軽蔑の対象へと転落している。
不正は枚挙にいとまなし
レビン上院議員はブランクファインらGSの幹部が連邦議会を欺いたと主張、ウォール街に対する大衆の怒りに油を注いだ。
しかし、ホワイトハウスには、このメッセージは伝わらなかったようだ。11年1月に中国の胡錦濤総書記がワシントンを訪問した際、オバマ大統領は国賓晩餐会を開催し、米国の多くのエリートが参加したが、ブランクファインにも招待状が届いている。
ここ数週間、GSは再び注目を集めている。注目された第一点はインサイダー取引。第二は利益相反行為。第三は退職した元幹部によるGSへの厳しい非難だ。