ウォール街とオバマ大統領、言葉は一見手厳しいが具体的な行動は手ぬるい

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ところが昨年末以降、オバマはより厳しい姿勢でウォール街に臨むようになった。そのタイミングは大統領選挙のスタートと一致する。

オバマはカンザスでの演説で、「私たちはあまりにも頻繁に、ウォール街の金融機関が不正防止法に違反するのを見てきた。それは罰則が非常に生ぬるく、常習犯に対する特別の処罰規定もないからだ。だが、もうそれは通用しない。金融機関が『法律違反で受ける処罰は、ビジネスコスト』と高をくくることがないよう、罰則に効力を持たせる立法を求めていくつもりだ」と述べた。

SECはこれまで、証券法違反事件で、金融機関が容疑を認めないまま、罰金を支払って和解することを容認してきた。これには厳しい批判がある。たとえばシティグループに2億8500万ドルの罰金を科した事件。シティは、当該証券の値下がりを予想した自己売買をしていることを隠したまま、顧客には劣悪な住宅ローン担保証券を売っていた。

違反した金融機関に罪を認めさせれば、同じ違反を繰り返さないと誓わせられる。SECは再犯を厳しく取り締まることができるのだ。

ところが、ニューヨーク・タイムズによれば、過去15年の間、GS、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バンクオブアメリカのすべてが「二度と繰り返さない」と誓った違反を何度か繰り返している。だが、これらの金融機関の幹部は、誰一人として処罰されていない。

必要な再犯防止策

SECのメアリー・シャピロ委員長は、SECは再犯を抑止するための実質的権限を欠いているとして、連邦議会に法改正を求めた。オバマも一般教書演説で、証券詐欺防止の強化と常習犯処罰のためのSECの権限強化を議会に求めた。

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