そう単純に言えることではないので、あまり一般化して語ってはいけないのですが、私は保護者の方々によく次のような話をします。
「親自身が、自分は学歴が高いと思っているのであれば、それを子どもに無理強いして強制してはいけません。逆に学歴が低いと思っているのであれば、劣等感を持つ必要は全くありません」
なぜなら、親と子は別人格であり、能力的な側面では遺伝の可能性もあるという論証もありますが、遺伝以上にその後の“環境”による影響力の方が圧倒的に大きいという知見もたくさんあるからです。これは私なりの解釈でいえば、『劣等感を持っていると、それは継承してしまう』ということなのです。
トンビはタカを生まない
よく学歴が高くない親の元から非常に優秀な子が誕生すると「トンビがタカを生む」と言われますが、実はそうではありません。そのような親は、人として恥じない生き方をして、子どもに手本を無言で示し、特に学がなくともそれに対する劣等感を持ちません。
その親を見た子どもには、親孝行したい(親に褒められたい)という感情が出てきて、自ら努力するようになっていくことがあります。つまり「ある鷹が別の種類の鷹を生んだ」ということなのです。ですから、学歴の高低によって人生が決まると思い込むのは間違いです。優越感や劣等感といった感情的なものによって決まっていくのです。
以上のように、親自身が、まず自分を責めるのではなく、自分を振り返り、勉強や学歴に対してどういう認識を持っているのかを確認することが重要です。その認識が間違っていると感じたら、修正する。ただこれだけです。
あまり重く考えずに、サクッと軽く修正するのです。すると、お子さんの勉強に対する姿勢も「自然」に変わっていくはずです。そして次第に、お子さんにやる気を引き出す言葉も投げかけられるようになっていくことでしょう。
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