トヨタ「オーリス」今さらHVを追加した理由 実は4代目プリウスのDNAが宿っている

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ちなみに2015年にVWゴルフは約2.5万台、アウディA3は約1万台、BMW1シリーズは約8000台、メルセデス・ベンツAクラスは約6800台を日本で販売している。販売ネットワークを考えれば、オーリスは輸入車よりもレアなトヨタ車といってもいい。そんなオーリスがなぜ今さらハイブリッドを追加したのか。トヨタ全体を見渡すと、2つの意味が見えてくる。

欧州ではシッカリと認められている

ひとつはこのクルマの主戦場は日本国内ではなく、欧州だということだ。イギリス、フランス、ドイツ、オランダを中心に人気を博し、2015年は14万2000台を販売、欧州トヨタを支えている。クルマの走りにうるさい欧州でシッカリと認められている。

実はオーリスハイブリッドは欧州では初代モデルから設定され、現行モデルも発表当初からラインナップ。2015年の販売は7万9000台と、何とプリウスよりも売れ、欧州市場で「ハイブリッドナンバーワン」の存在なのである。そんなオーリスハイブリッドを日本でも売らない手はないと今回「凱旋帰国」させたというワケだ。

もうひとつの意味は、オーリスにはトヨタの最新鋭技術がいち早く採用されてきたという事実である。

オーリスハイブリッドのメカニズムは多くのメディアで「3代目プリウスのパワートレーンを搭載」と記されているが、半分正解で半分間違い。3代目プリウスではトランク下にあった駆動用バッテリー(ニッケル水素)はリアシート下に配置。このレイアウトは4代目となる新型プリウスでも採用されている。

ハイブリッドはエンジン回転数と車速がリンクしないことがクルマ好きから嫌われる要因のひとつ。もちろん欧州では日本以上にシビアに評価される部分なので、オーリスハイブリッドのパワートレーン制御はドライバーの意思にリンクさせるようにセットアップが行なわれ、その結果常識的な加速時であれば、アクセルの踏み込み量に合わせた自然なフィーリングとなっている。これも4代目プリウスに採用されている技術のひとつだ。

そしてこれらは今回のモデルからではなく、2012年に欧州向けのオーリスハイブリッドが発売された時から採用済み。オーリスハイブリッドには4代目プリウスの技術が先行投入された。つまり、オーリスにも4代目プリウスから始まったトヨタの新しいクルマづくりを象徴するグローバルプラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」のDNAが流れているのだ。

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