ホンダ「ヴェゼル」がSUV販売1位に立つ理由

嗜好の変化をとらえ、臨機応変な進化続ける

ヴェゼルは、矢継ぎ早に改良を施してきた

ホンダのSUV(スポーツ多目的車)「ヴェゼル」がロングヒットしている。

日本におけるSUV人気の推移のなかで

日本自動車販売協会連合会(自販連)によれば2015年度(2015年4月〜2016年3月)における販売台数は6万9018台。前年度から約3割ダウンしたものの、日産自動車「エクストレイル」(同3割増の6万2502台)をはじめとするSUVのトップに立った。2013年12月発売のヴェゼルは、2014年度もSUV新車販売でトップだったから、デビュー以来高い人気をキープしていることになる。

ヴェゼルはSUVの中でもコンパクトで価格帯も低いものの、個人的にはこの結果に納得している。というのも発売前の2013年秋に開催された第43回東京モーターショーで市販予定車が初公開されたときから、「これは売れるだろう」と予感していたからだ。

日本におけるSUV人気は、三菱自動車「パジェロ」やトヨタ自動車「RAV-4」、ホンダ「CR-V」などバブル景気前後のレジャーブームで一度大きく盛り上がったものの、その後ブームは収束した。ところが21世紀になると、北米や新興国に向けて開発された欧州プレミアムブランドのSUVが相次いで上陸。人気を博する。

日産自動車「ジューク」

「悪路や雪道を走らないからいらないという人が多いんです」と、当時国産SUVの開発に関わったエンジニアはこぼしていた。多くの日本人はそれまでSUVを機能、つまりオフロードを走行するクルマと認識していた。しかし欧州プレミアムブランドのSUVは、多くが舗装路を走るために生まれた。機能ではなくファッションとしてのSUVだったのだ。

こうしたトレンドを国産車でいち早く取り入れたのが、日産自動車が2010年に発表した「ジューク」だった。初公開の場は世界の流行発信地パリであり、当初は前輪駆動しか存在しなかった。

このジュークが日本でも発売されたことで、ファッションとしてSUVに乗るという考え方が多くの日本人ユーザーに植え付けられた。ホンダはそこへヴェゼルを投入。タイミングの良さに感心したものだ。

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