米国で人気「大麻体験ツアー」に参加してみた 吸引できる登山ツアーや大麻入りディナーも

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ホテルにチェックインすると、フロント係はウインクをしながら金属製の大きな吸引器を手渡してくれた。部屋で使うためだ。私は部屋に上がると1人で試しに一服してみた。まだ朝の9時だった。

こうして心の準備を済ませると、私はマイク・メトヤーと会うためにロビーに下りた。この3日間、私の大麻の指南役を務めてくれる人物だ。メトヤーは山と大麻草を配したマイ420ツアーズのロゴの入ったTシャツを着て待っていた。

メトヤーは自己紹介をすると袋を渡してくれた。中に入っていたのは、携行用の小型吸引器と大麻専門誌の最新号、それとハイになりすぎたときに気持ちを落ち着かせるためのラベンダーオイルの瓶だ。

デンバーで会った大麻関連ビジネスの関係者はほとんどそうだったが、メトヤー(22歳で信心深い家庭で育った)も大麻を始めたのはつい最近のことだ。マイ420ツアーズの創業者J.J.ウォーカーと知り合ったのは、銀鉱山でガイドとして働いていた時のこと。ウォーカーはメトヤーを気に入り、自分の会社に誘ったのだった。「最初は大麻ツアーガイドなんて職が実際に存在するなんて信じられなかった」とメトヤーは言う。

「大麻ソムリエ」がオススメの大麻を紹介

ホールでは大麻ソムリエのマイケル・ピャット(27)が私たちを待っていた。ピャットは高級大麻店「ネイティブ・ルーツ」の講義責任者だと、メトヤーはテーブルに着きながらささやいた。ピャットは大麻についてありとあらゆる知識を持ち、テーブルの上には数分のうちに大麻の小さなプラスティック容器がずらりと並んだ。

「タバコは吸いますか?」とピャットが尋ねたので、あまり吸わないと私は答えた。すると彼は、ワインについて語るソムリエもかくやといった表現でネイティブ・ルーツのオリジナル銘柄の説明を始めた。例えば「ハーレクイン」は3種の大麻のブレンドで、「サワー・カシュ」は「ムスクのようで、甘く、思索的」なのだそうだ。

ピャットは次に説明する大麻の入った袋に視線を移した。私はメトヤーの方を向いて、ツアーに参加するのはどういうタイプの人が多いのかと尋ねた。「ありとあらゆる人が来る。男性も女性も、老いも若きもいるけれど、お客の60%はテキサス州から来る」と彼は答えた(『あそこは大麻への規制が厳しいところだから』とピャットも言った)。

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