米国で人気「大麻体験ツアー」に参加してみた 吸引できる登山ツアーや大麻入りディナーも

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警察沙汰になる心配なしにハイになれるのはけっこうなことだ。とは言え、それだけを目的に旅行の計画を立てることなどあるのだろうか。ワインの旅に出るというなら理解できる。だが一般的に、そうした旅で空港に着く瞬間までワインを飲み続けるなどということはない。

後になって思えば、私が抵抗を感じたのは大麻の吸引が認められていない土地から来た観光客への猛烈な売り込み、言い換えれば大麻への抑圧された欲望を商売のタネにする方法だったのかも知れない。

翌朝、ホテルのジムで汗を流した後、私はマイ420ツアーズの親会社「パイオニア・インダストリーズ」のダニー・シェーファー最高経営責任者(CEO)とブランチを共にした。シェーファーによれば、創業から2年目にあたる2015年に、マイ420ツアーズは週あたり300〜600人の客を受け入れた。客1人あたりの平均支払額は650ドルだったという。今年に入り、売り上げは35%の伸びを示しているそうだ。

米国ナンバー1の大麻観光地になるには?

シェーファーは、大麻観光はコロラドの大麻関連ビジネスの一部分に過ぎないとも語った。大麻関連ビジネスには、弁護士事務所やコンサルタント、警備会社(大麻の取引は現金で行われているため、警備員は重武装だ)も含まれる。

シェーファーは、パイオニア・インダストリーズにとっての最終的な目標は、大麻業界を1つのロビー団体へとまとめ上げて発言力を高め、コロラドを米国ナンバー1の大麻観光地にすることだとも語った。「(コロラドには)スキーもハイキングも地ビールもある。それにデンバーという魅力的な都市も」

だがナンバー1になるには、同様に嗜好用大麻が合法化されているワシントン州やオレゴン州などとの競争に打ち勝たなければならない。また、州観光局との連携も必要になるだろう。だが今のところ、州当局はコロラドを「大麻天国」として売りだすことに難色を示している。

コロラド州観光局のキャシー・リッター局長は電話取材に対し「(同州を訪れる)観光客の大半は大麻に関心などない。(大麻観光に来るのは)旅行者のほんの一部だ」と語った。

またリッターは、これまで大麻観光の宣伝に州の予算を使ったことはないとも語った。宣伝予算の大半は基本的に州外で使われるが、そんなことをすれば「連邦法の違反になることは明らか」だからだそうだ。

(執筆:Alan Feuer記者、翻訳:村井裕美)

(写真:Ryan David Brown/The New York Times)

© 2016 New York Times News Service
 

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