「パナマ文書」で窮地に追い込まれるのは誰だ アイスランドの首相は早々に辞任

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「パナマ文書」が流出したパナマの法律会社、モサック・フォンセカ(写真:Carlos Jasso/ロイター)
 

世界中の政治家や有力者が、莫大な富を隠していたことが発覚したのを受け、5日には少なくとも2つの大陸で捜査が始まった。欧州からアジアまで各国の指導者は、自分たちはむしろ犠牲者だと主張したものの、アイスランドの首相は辞任に追い込まれた。

今では「パナマ文書」として知られるようになった、パナマの小さな法律事務所から流出した数百万以上の文書は、世間の激しい怒りを誘った。戦争や人道危機から注意をそらし、富裕層が秘密のダミー会社やオフショアの脱税手段を使って資産隠しを行っていた巧妙な手法に注目が集まった。

世界中に広がる影響

文書の影響は瞬く間に世界中に広がった。アイスランドでは、グンロイグソン首相が辞任要求を突きつけられた。首相と裕福な夫人が英領バージン諸島に会社を設立していた事実を文書に暴露されたことで、5日に副党首に後任を頼むことになってしまった。

英国では、政府にキャメロン首相の取り調べを求める声と、財務の透明性を主張する首相の姿勢に批判の声が高まっている。流出文書には、キャメロン首相の親族がオフショアの税金回避地に財産を隠していたことが記されていたからだ。

人口のおよそ20%が1日1.25ドル以下で生活しているパキスタンではシャリーフ首相が、辞任を求める野党の声を腹立たしげにはねつけて自らの財産は合法的に獲得したものだと主張し、政敵に対して不正行為を証明するよう求めた。首相の娘は批判的な人々に向けて、「証明せよ、さもなくば謝罪せよ」とツイッターで発信した。

フランス、ドイツ、オーストリア、および韓国の当局者らは、マネーローンダリングから脱税にいたる不正行為の疑いに関する捜査を開始すると発表した。フランスのサパン財務相は国会で、政府は脱税者の資金逃避先のブラックリストに再びパナマを加えた、と発言した。

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