「パナマ文書」で窮地に追い込まれるのは誰だ アイスランドの首相は早々に辞任

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グンロイグソン氏は、流出文書には情報が含まれていないと主張し、彼と妻のアナ・シーグルレイグ・ポルスドッテル氏が、資産隠しも税金逃れもしていないと付け加えた。

しかし、彼らの会社であるウィントリス社は、2008年の金融崩壊で数百万ドルを失って破たんした同国の3つの銀行に約420万ドルの請求を行っている。2013年の首相就任以来、グンロイグソン氏は銀行の債務処理に関与していたため、利益相反で告発された。

租税回避地としての英国領

流出文書について英国でも論議が起こっている。租税回避地として英国の統治領が並はずれた役割を果たしていることを文書が示したからだ。

野党労働党のジェレミー・コービン党首は、パナマでの事実発覚に関係するすべての英国人(もちろんキャメロン首相の親族も含む)の税務に関する独自調査を行うよう要求。合わせて政府に対し、海外の領土や保護領を必要に応じて英国の税法に従わせることができるようにすべきだと要請した。

「政府は脱税に関して、煮え切らない態度をとるのをやめる必要がある」と、コービン党首は話した。

英国内で怒りの的になっているのは、キャメロン首相の亡父で、株式仲買人や投資マネージャーをしていたイアン・キャメロン氏だ。文書によると同氏は、パナマの法律事務所を利用して、英領バージン諸島を本拠地とする会社を設立した。

違法な活動を示すものはないが、海外の投資ファンドは英国に税金を納めていない。労働党は、キャメロン首相がオフショア・ファンドに関心を持っていたかについて回答するよう要求したが、首相はこれを否定。このため労働党は、首相自身の納税申告書の公開を求めた。

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