特別企画:ミドルリーダー座談会(上) 高度な思考・コミュニケーションとは

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藤井:フレームワークを使う大きな効果の一つは、足りない部分に気づけることでしょうね。一度、持ち帰った議論も、「次はここを確認しなければ」とか、「この部分について自分で調べる必要がある」などと補強していくことも可能になります。

重要なのは「適切な問いかけ」

荒木:フレームワークが効くのは、相手も経営学を学んでいて同じフレームワークを持っていることが前提になるのでしょうか?

井手:いえ、相手がフレームワークに沿って思考しているか否かに関わらず、どちらにも対応できるように「適切な問い」が重要になるのだと思います。「どの辺りのターゲットをお考えですか?」といった、フレームワーク的な思考の枠組みに引き込む「問い」を、意識して行うのです。

荒木:逆に言えば、そこで分りやすい問いに変換できなければいけないということなのでしょうね。「3Cで整理するとどうなるのでしょう?」など、小難しい言葉を振り回す人は、相手の共感を得られない。

重要な場面での会話というのは、言葉遣いの一つひとつがとても重要ですから。その時、自分でもうまく説明できないような難しい言葉を出すのか、誰にでも分かるような平易な日本語を出すのか、というのは大きな違いを生じるのでしょう。

井手:前職では、上司から仕事を受け取るタイミングが一番重要だと考えていました。少し柔らかい質問をしながら、その人がどれぐらい深く、そのことを考えているのかを理解するという手法です。

 結果的に「いや、今はこれぐらいしか思いついていないのだけどさ」と言われるようなこともあります。そんな時には、フレームワークで全体像を意識しつつ、相手のプライドを損なわないような質問をしながら、お互いの理解を深めていく工程が重要になると思います。

藤井:上司や社内のステークホルダーから言われたことがセオリーに乗っていないと判断できれば、「しばらく経ったらこれは止めることになる可能性があるかも」と考えられたりもします。そうすると、実行上のプライオリティをつける際に、「これは優先順位を下げよう」といったことを自信を持って判断できるようになりますよね。

戸津:同じように、幾つかの重要なマスのうち、例えば一つしか埋まっていないような指示を出されたときには、「これはまだ煮詰まってないな」、「少し置いておこう」などと思える。或いは、こちらで穴埋め作業をしたうえで、「この方向感で行きます」と。そういう意味では、フレームワークというのはすごく使い勝手が良いですよね。

藤井:そうですね。使える道具(手法)が増えて助かっているという感覚は確実にあります。

(下)に続く

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