特別企画:ミドルリーダー座談会(上) 高度な思考・コミュニケーションとは

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少し議論を元に戻し、冒頭に荒木さんが言われた「競合や競争については考えられるけれど、本当の意味での戦略を考えることが出来ていないのではないか」という部分について、私は、部下が考えないのは上司の側にも多少なり課題があるかなと思いました。

井手さんにしても戸津さんにしても、日常的に、考えさせてみたり、うまく考えを引き出すような投げかけしたり、ということをされていますが、現実には、そうしたことが出来る上司のほうが少ないのではないでしょうか。部下が考える余地も与えずに「アレをしろ」「コレをしろ」と指示をしてしまう。その積み重ねにより、考える習慣がなくなってしまった人も多いのではないかな、と。

戸津:そのほうが、どちらもラクですからね。

藤井:上司は「この範囲内であれば自由にやっていいよ。本当にまずくなったらストップをかけるから」というスタンスを持てるか、そして、部下は失敗を恐れず前向きに取り組めるか。組織文化に負うところも大きいかもしれません。

でも、そこも含め何とかしていかないと組織全体が思考停止に陥ってしまう。若い人たちも、折角学んだ戦略を使わないようになってしまうのではないかと感じます。

井手:そこは大きいですね。もちろん個々人のタイプにも依るでしょうが。

藤井:そうですね。言ってもらったほうがきちんと仕事が出来るというタイプの方もいますし。

井手:戦略や、そこから発生する目標を自分のものとした瞬間に、大きな力を発揮するタイプも確実にいます。前職では、そのタイプの部下が仕事内容について確認にくると、常に「なぜそう思ったの?」と聞くようにしていました。「これこれこういう風に考えたので・・・」、「なるほど、ではここは?」といった感じで話を詰めていくのです。

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