現地の変革をマネジメントする組織開発力

グローバル人事の「目」

グローバル人事の「目」(第8回)--現地の変革をマネジメントする組織開発力

◆外資系企業と日系企業の駐在員教育は違う

日系企業と外資系企業の駐在員教育の違いは何か。日系企業は、海外現地法人から駐在員派遣の依頼があってから、候補者を派遣する。駐在員教育は「日常業務遂行」を行うための最低限のレベルにとどまっている。

一方グローバルに展開している外資系企業は、「戦略的な意図」を持った派遣となる。現地の立場から見ると、特命を担った人材が海外から来ることになる。現地の仕事のやり方に、ある意味「よそ者」が手を入れてくるので、多かれ少なかれ軋轢が生じることが多い。よって外資系企業の駐在員には、現地法人のメンバーに受け入れてもらい、メンバーの本音を引き出し1つの方向にまとめていく能力、すなわち「現地の変革をマネジメントする組織開発力」が必要になる。

今回はこの組織開発力の身につけかたについて、事例をもとに解説する。

◆日本企業の駐在員教育は経験談レベル−−A社

日系企業は現地の変革をマネジメントするために、どのような駐在員教育を行っているのだろうか。

具体的な事例でいうと、日系大手ハイテク企業のA社では、直近まで現地法人に勤務していた人にインタビューして、赴任先の風習や対応方法をビデオにまとめている。そして、その国に派遣が決まった駐在員はそのビデオを見て学習している。生の経験談は現地のビジネスに直結するので、駐在員候補も勘所をつかみやすい。その後に書籍等で各国の文化・風習について学習すれば、先輩の駐在員からの教えがしっかりと頭に入る。

またA社は基金を設け、新興国の優秀な人材に対し、留学のための資金援助を行っている。留学の援助を受けた人材は卒業後、A社に入り、本社で学んだ後で母国のA社現地法人に転籍している。

この社員が本社にくる時に「ここが変だよ日本人」というテーマで文化、ビジネス、職場の振る舞い方の違いについて解説するワークショップを定期的に開催している。
大半の日系企業の取り組みは、現地の文化・風土の違いを「知る」レベルでとどまっている。

 

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • フランスから日本を語る
  • iPhoneの裏技
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT