過熱するローカル私鉄ブーム! まだまだがんばってるぞ編
この4月から国土交通省は、地方鉄道の活性化に対する補助金のスキームを変更。イベント列車や待合環境の整備など、乗客を呼び込む施策に対しても、その2分の1から3分の1を補助する制度を新設した。「頑張っている地域や事業者を重点的に支援する」(国土交通省)方針だ。
沿線市民や鉄道ファンに支えられて、「頑張っている地域・事業者」は数多くある。”テツ”ならずとも注目しておきたい各線を紹介しよう。
お見合い貸し切り列車も運行◆上田電鉄別所線(長野県)
男女のお見合いのための貸切列車「ゆけむりこまち」やボランティアによるガイド列車の運行、別所温泉駅女性駅長の和装制服、上田駅長も電車に乗り込みハーモニカを披露するなどユニークな企画を連発。駅舎の改良や自治会回数券の販売など、地元での利用促進も強化し、06年度は利用者が前年比0.8%増えた。
ラスト2年の生き残り懸ける◆いすみ鉄道(千葉県)
開業以来の赤字続きで、08年度、09年度にも業績改善の見込みがなければ廃線との決定がなされている。沿線の菜の花畑を売りに、企画乗車券の発売や、家族向けの貸し切り列車の運行などで、06年度以降は乗車人数が前年比を上回っているが、存続はラスト2年の踏ん張りにかかっている。08年度には公募した新社長が就任した。
女性アテンダントが乗務◆えちぜん鉄道(福井県)
01年の京福電鉄の事故により廃線となり、沿線住民は代行バスや乗用車送迎などに転じたが、交通量増加による渋滞や満員バスの遅延など問題が多く、03年にえちぜん鉄道として運行を再開。通勤時間帯などを除いて各列車には制服を着た女性の接客乗務員が乗務し、沿線住民だけでなく、全国の鉄道ファンにも好評を得ている。
木造駅舎やSLを文化財に申請◆若桜鉄道(鳥取県)
いったんは廃止対象路線となったが、1987年に第三セクターとして運行再開。沿線6つの木造駅舎や、ポイント切り替え員が詰めた小屋、蒸気機関車の転車台などの路線施設を、全国で初めて登録有形文化財に申請。こうした施設の説明と乗車券をセットにした企画切符を発売したところ、多くの観光客が訪れている。
(週刊東洋経済編集部)
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