米携帯3位買収で孫社長「目指すは世界一」 孫正義の目指すところは?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


--買収資金をどのように融通するか。

 70%の株式を得るのに200億ドルを払う。ソフトバンクの手元には7000億円ぐらいの現金があるが、それに加えて、ブリッジローンとして全額に相当する額を銀行の協調融資団から今日正式にコミットメントをいただいた。実際には上回る額をいただいたが、今回はそこまでいらない。金利が年利に直して1%台。1.5兆円強がブリッジローン。追加の投資の予定は全然していない。

--なぜ70%の出資なのか。100%でないのか。

 日本から何回もおカネが行くのは銀行団が不安になるので、米国のスプリント社は上場したままの形を残す。したがって米国の証券市場で資金を調達したり、米国の銀行から借り入れするときに有利なように、米国の上場を維持するのが狙いにある。30%は一般の株主が持てるようにする。

米国は最もオープンで開かれた市場。上場会社としてスプリントが米国市場に存続するほうが、ベールやブラックボックスに包まれるよりも、米国政府や一般投資家、ユーザーからしても安心だ。

--イー・アクセスとの統合と比べて、米国と日本でのシナジーが見えにくい。金額で示せるか。またガバナンスをうまく発揮できるのか。

 イー・アクセスとの国内統合は金額が計算しやすいのでいろいろと出した。今回は日米をまたぐ話。1日でどれだけ金額が浮くとかそういうレベルの話ではない。しかし、世界最大規模になる。最先端のスマホ、LTE、コンテンツで、他流試合をする。私も16歳で米国に留学した。かわいい子には旅をさせる。サッカーや野球に限らず、外で他流試合をしてくるということは、国内でもさまざまな意味合いで本質的体力が強くなると思う。

 金額で表すと何兆円もの価値があるのではないか。スプリント社の買収に絡んで、この2日間(営業日ベース)で、ソフトバンクは1兆円の時価総額が吹き飛んだ。それだけ心配された。しかし、その旅を経て何兆円にもなって戻ってくるのではないか。ダン・ヘッセ氏とは、彼がスプリント社のCEOになる前からの知り合い。お互いに今回初めて知り合ったわけではない。なれ初めははるか前のことだ。お互いに詳しい者同士として、しっかりと相性よくやっていけると思っている。ソフトバンクは少数株主でなく7割の株主。過半数の取締役はソフトバンクに任命権がある。ガバナンスは発揮できる。

 

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事