米携帯3位買収で孫社長「目指すは世界一」 孫正義の目指すところは?
--孫さんはこの先、何を目指すのか。米国1位なのか世界1位か。
男子として生まれたからには、「いずれは世界一になる」という高い志は持っている。ただ、物事には順番がある。今回はソフトバンクとスプリントが経営統合して、パートナーとして進めていく。まずはそこをやり遂げていかなければならない。
--日本のユーザーに対しては、つながりやすさも含めて、スプリント社買収によるシナジーをどう打ち出していくのか。
つながりやすさと通信速度の両方だが、今回の買収で世界でも最大規模に近いネットワーク機器の購入量を得る。ネットワーク機器業者への交渉力、調達量は増える。設備投資は今まで以上に行えるし、今までよりも安い価格、条件で手に入る。言い訳がましいかもしれないが、プラチナバンドさえあれば、もっと早くできた。許認可を得たのが今年7月。そこから世界で最も速い速度で設備投資をやっている。つながりやすさでもNTTドコモ、KDDIを必ず超えてみせる。必要な資金は世界規模の会社になれば、十分に入ってくる。
--今回の話は、いつ頃からどういう検討をしたか。
スプリント社に照準を合わせたのは数カ月前。ただし、ボーダフォン日本法人を買収すると決めた6年前から、日本でのわれわれの経営状況が十分によくなったら、いずれは世界展開により、ドコモを抜いて世界規模の会社になるというのは、モバイル参入の第1日目から考えていた。
--米国で携帯電話5位のメトロPCSコニュニケーションズの買収も取りざたされているが。
可能性は何でもある。NTTを買収することだってありうる。ただ、どの会社をどうするか。先のことはわからない。言えることはない。