「PDCAですべてを解決できる」は大きな幻想だ ホンダで神髄を掴んだ男が明かす問題解決法
そこで私は原価のかからない方法で売り上げを向上させる施策を提案しました。目標を達成した際の社員への還元についても社内で明示してもらったところ、あっという間に社内連携、人間関係もよくなり、目標売上高も達成できました。
表面的な出来事や一過性の感情を問題と誤認して、奥底にある「真の問題」にたどり着いていないと、問題そのものが繰り返し発生してしまいます。この「一過性の出来事」「解決しても意味のないこと」に多くの人が人生の膨大な時間を費やしてしまっています。
このように、多くの場合、人間が目の前の痛みから逃れたいという感情から生まれる問題を、「問題である」と誤認し、その改善に取り組んでも、実際には「真の問題」が放置されたままであるため、効果が得られないか、または、さらに深刻な結果を生むことすらあります。「ラストプロブレム」を見つけ、それ以外の問題は放置してもいいのです。逃げていいのです。それはラストプロブレムに取り組めば、結果として他の問題も解決されていくからです。
ラストプロブレムを見つける手順
ラストプロブレムを見つけるためには、いくつかの手順があります。
<手順1:問題を洗い出し「見える化」する>
目の前の出来事をすぐに問題ととらえるのではなく、まず問題を洗い出し「言語化」して客観的に検証してみる。「見える化」しなければ客観的に検証できないため、緊急に追われている事象や、感情の揺らぎに負けてしまいます。あくまで「言語化」して客観的に検証することが大切です。
① 3日以内、7日以内、1カ月以内に解決しなければならない「今」直面している問題や、すぐに思いつく悩みを思い出してみる。
② 過去3~7日間で悩んだり、直面した問題を思い出してみる。
③ 過去1カ月間のカレンダーを見返して、あった出来事を振り返り、ネガティブな出来事の共通点を探し、解決しなければならないのに放置している問題を探してみる。
④ 去年のカレンダーを見返して、当時、悩んでいたことで、今も解決していない問題がないか洗い出してみる。
⑤ 3年後、10年後の自分をイメージして、どんな未来を得たいのかを明確に、具体的にする。その未来にとって、今、解決しなければ障害になりそうなことを列挙する。
こうして、問題と感じているすべてを洗い出します。
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