電動歯ブラシの使い方を誤解していませんか 手で磨くより汚れが取れていない現実もある

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次に歯ブラシの当て方です。順に説明していきましょう。

1.口に入れてからスイッチON

歯ブラシに歯磨き剤をつけたら、歯にぶつかったり、歯磨き剤が飛び散ったりするのを防ぐために、口の中に入れて、磨く歯に当ててからスイッチを入れましょう。

2.歯に軽く当てる

電動歯ブラシはパワーがありますので決して歯に押し当てないようにしましょう。あくまでも軽く当てる程度で。

3.歯に当てる角度

噛み合わせの面の場合は、歯に対して90度が適切です。一方、歯の側面は歯に対して90度または45度。歯周病対策には45度に傾けると歯と歯茎の間の汚れが効果的に落とせ、歯茎のマッサージにもなります。そして前歯の裏側は歯ブラシが横に入れづらいために、縦にして1本ずつ磨きます。

4.ゆっくりスライドさせる

基本的に横にゴシゴシやる必要はありません。当てているだけで十分です。1箇所につき数秒間毛先を当てて徐々にスライドさせます。ただし、例外として超音波歯ブラシは普通の歯ブラシのように横にゴシゴシと動かす必要があります。

製品によってはブラシを交換できるタイプがあります。毛先の消耗や衛生的な面で考えると2〜3カ月に一度くらいで交換することをお勧めします。

磨き方の基本ができているかどうか

電動歯ブラシも普通の歯ブラシも、正しい磨き方ができていてこそ、きちんと汚れが落とせるものです。電動歯ブラシをうまく使いこなすためには、普通の手磨きがきちんとできている必要があります。磨き方の基本ができていなければ、どんなに高性能な歯ブラシを使っても十分な効果が得られないばかりか、逆にパワーの強い電動歯ブラシによって歯や歯茎を傷めてしまうことになりかねません。

歯医者で歯磨き指導を受けたことがない人は、一度プロから正しい磨き方を教えてもらうとその効果も変わってくるはずです。また、電動歯ブラシでも歯間は清掃できませんので、歯間はデンタルフロスで磨くようにしましょう。
 

小林 保行 歯科医師/キーデンタルクリニック院長

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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi

2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。

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